jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

利尻富士町鴛泊小学校の授業モニタリングに行ってきました!

2025.11.26

2025年度教師海外研修(モンゴル) 授業実践【利尻富士町立鴛泊小学校】

教師海外研修とは、開発教育/国際理解教育の実践と推進に意欲のある小中高校と特別支援学校の先生が、JICAが支援する開発途上国に赴き、現地で得た知見を活かして教材を作り、日本国内での授業実践を行う研修です。

2025年度はモンゴルで現地研修を行いました。授業実践モニタリングリポート4回目は利尻富士町立鴛泊小学校で行われた藤森菜月先生の授業風景をお届けします。

島の子どもたちに届けるモンゴル文化

2025年11月19日(水)、北海道北部、日本海に浮かぶ島「利尻島」にある利尻富士町立鴛泊小学校で「せかいと なかよし~こんにちはモンゴル!」という授業が行われました。
対象は1年生で、生活科・道徳科・国語科の3教科にわたり、全11時間で展開されます。今回は、そのうち9・10時間目の連続した2時間をモニタリングしました。

9・10時間目の授業のメインは「モンゴルすごろく」です。しかし、このすごろくのルールを理解するのは、1年生には少し難しい部分がありました。そこで、まずは類似するルールで展開する「どうぶつ集めゲーム」を行って、子どもたちが自然にルールに慣れる工夫がされていました。どんなに良い教材でも、ルール説明に時間を取られるのは避けたいところ。子どもの発達段階に合わせた、先生の念入りな準備です。
子どもたちは、モンゴルにいる動物――馬、ヤギ、羊、ラクダ、牛――を集めて「動物マスター」を目指しながら、自然にルールを覚えていきます。

笑顔でゴール!「モンゴル名人」誕生

ルールを理解したところで、いよいよメインの「モンゴルすごろく」へ。サイコロを振り、出たマスのミッションをクリアしてモンゴルカードを集め、チームで「モンゴル名人」を目指します。ミッションは「モンゴル語で挨拶する」、「ゲル(モンゴルの家)のミニチュアを組み立てる」、「民族衣装を着る」など盛りだくさん。子どもたちは協力しながら楽しそうに挑戦していました。

モンゴルすごろくの中で、印象的だったのが、クイズミッションにて「モンゴルのまわりは海がない。〇か×か」に答える子どもたちでした。モンゴルは内陸国なので、もちろん海がないのですが、その答えに子どもたちは、びっくり。島育ちの子どもたちは、海のない生活はイメージがわかないのかもしれません。自分たちの当たり前が海外ではそうではないことを、1年生なりに理解している様子が伺えました。

授業の最後には「やったぁ!モンゴル名人になれた!」という歓声と笑顔が教室いっぱいに広がりました。

島の教室から広がる世界

学校の和室で行っているモンゴル展

藤森先生はこの「どうぶつ集めゲーム」、「モンゴルすごろく」だけでなく、モンゴル以外の国を知るアクティビティなど、さまざまな教材を作っています。授業以外にも、全学年が自由に入れるスペースで「モンゴル展」を開催していました。
利尻島での島生活では、子どもたちは外国の生活を想像しにくい環境にあります。だからこそ、藤森先生は自分の担当学年だけでなく、できるだけ多くの子どもたちに異文化を知り、楽しんでもらいたいと考えました。そんな熱い思いが詰まった「モンゴル展」では、モンゴル文化を体験できる工夫がたくさんありました。
ある子どもは「モンゴル展」に置いてある藤森先生が自作した「モンゴルポーカー」をすっかり気に入り、家でその話をしたそうで、既製品だと思った保護者の方から「購入したい」との声が上がったほどです。

無限に教材を生み出す藤森先生のその熱意に圧倒されるばかりでした。島という環境で育つ子どもたちにとって、今回の授業は異文化を体験する貴重な機会です。小さな島の教室から広がる大きな世界――その第一歩を踏み出した子どもたちの笑顔が、何よりの成果でした。


■関連リンク
旭川藤星高校の授業モニタリングに行ってきました!
札幌市立元町中学校の授業モニタリングに行ってきました!
開発教育支援事業
教師海外研修





\SNSでシェア!/

  • X (Twitter)
  • linkedIn
一覧ページへ