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【愛媛県伊予市 実施報告】帰国したグローカルプログラム実習生が伊予市を訪問しました。

2026.03.02

愛媛県伊予市では、2023年7月からJICA海外協力隊派遣前訓練「グローカルプログラム」が実施されています。伊予市グローカルプログラム第1期生の岡田葉留佳さん(ラオス/コミュニティ開発)、蜂屋遼平さん(ブータン/理学療法士)、梶幸平さん(東ティモール/青少年活動)の3名が2024年1月~2026年1月までの2年間のJICA海外協力隊の活動を終え、日本に帰国後、再び伊予市を訪問しました。2026年2月10日に伊予市で開催された帰国報告会では、協力隊の活動内容を聞こうと伊予市民、関係者など多くの方が集まりました。

伊予市のミュゼ灘屋で開かれた帰国報告会の様子

岡田葉留佳さん(2023年度3次隊/ラオス/コミュニティ開発)

“はるるん”の愛称で親しまれる岡田さん。ラオスの民族衣装と、現地の特産品である葛を使ったバッグを身につけて発表いただきました。会場からは、「はるるんの手がけた商品を購入したい!」という声も上がり、大きな関心が寄せられていました。

2023年度3次隊としてラオス・ウドムサイ県に派遣された岡田さん。これまでのキャリアとは異なる分野での派遣でしたが、住民に寄り添い、工夫を重ねながら、現地の特産物である葛(くず)を活用した商品開発や販売促進によるコミュニティの所得向上を目指して活動しました。

岡田さんが活動の最初に取り組んだことは、ラオスの少数民族が暮らす村をひとつずつ訪ね歩き、どのような製品が作られているのかを丁寧に把握することでした。現地で直接話を聞く中で、質の高い生地が生産されているにもかかわらず、販路が確保できずに困っているという実情を知ることができました。そして、現場のニーズに寄り添いながら、生地の価値を高めるために住民と協力して商品開発や試作を重ね、イベントやハンディクラフトフェスティバルへの出展などを通して、販路拡大に向けた取り組みも進めていきました。

協力隊の活動の中で特に活きたと振り返るのが、伊予市のグローカルプログラム実習での学びです。岡田さんは、「“よそ者”として地域に入るからこそ、その地域の魅力に気づける。それが協力隊の大きな強みだと思いました。ラオスでも、現地の人が当たり前と思って見過ごしてしまう価値を発見して、一緒に商品開発や販売につなげる。伊予市でよそ者として地域に飛び込んだ経験が、そのまま任地での活動に活きました。」と語ります。

~岡田さんの実習中レポートはこちら~
【シリーズ 愛媛県グローカルプログラム参加 海外協力隊候補生に聞く】Vol.1 | 愛媛グローカル人材育成プラットフォーム

蜂屋遼平さん(2023年度3次隊/ブータン/理学療法士)

“ハッチ―”の愛称で親しまれる蜂屋(はちや)さん。ブータンの男性用民族衣装「ゴ」を着用して発表いただきました。ブータンでの活動中には、グローカルプログラム実習でつながった伊予市在住のブータンの方のご家族を訪ねる機会もあり、伊予市で生まれたご縁を大切に活動されていました。

日本の病院で勤務した後、2023年度3次隊としてブータンのパロ県に派遣された蜂屋さん。現地では理学療法部門のある病院に所属しながらリハビリテーション医療の質を高める取り組みに力を注ぎ、さらに訪問リハビリテーションの実施と、そのサービスを地域に広めていく活動にも取り組みました。

蜂屋さんは、リハビリテーションの質を向上させるため、院内スタッフを対象に勉強会の開催、血圧計などの機器の適切な利用促進、農業リハビリといった新しいアプローチの導入にも取り組みました。また、ブータンは東ヒマラヤに位置し、山がちで起伏の多い地形をしているため、住まいにも段差が多く、体が不自由な人にとっては、日常生活にさまざまな困難が生じやすい環境となっています。そこで、地域のNPOなどと連携して訪問リハビリテーションを実施し、患者の自宅を訪ねて困りごとを聞き取り、生活に合わせたリハビリテーションを提案しました。

ブータンはGNH(国民総幸福)を掲げる「幸せの国」として知られ、そこでは人々のあたたかさや家族を大事にする文化が深く息づいています。蜂屋さんは、その暮らしの中で家族愛を大切にする姿勢を学んだと言います。これは、伊予市で身につけた「相手の大切なものを大事にする」という思いにも通じるものでした。ブータンでも、その国が大切にしている価値観を尊重しながら、これまで以上に家族や周囲の人を大事にすることを心がけて過ごしていたそうです。

~蜂屋さんの実習中レポートはこちら~
経験と学びの3か月 | JICA海外協力隊
【シリーズ 愛媛県グローカルプログラム参加 海外協力隊候補生に聞く】Vol.3 | 愛媛グローカル人材育成プラットフォーム

梶幸平さん(2023年度3次隊/東ティモール/青少年活動)

“KJ”という愛称で親しまれる梶さん。東ティモールの民族衣装を身にまとって登場し、クイズを取り入れるなど参加者の皆さんが楽しめる工夫を凝らした発表を行い、会場は終始和やかな雰囲気に包まれました。

梶さんは、2023年3次隊として東ティモールに派遣されました。教員や図書館司書、サッカーコーチなど多彩な経験を持つ梶さんは、その経験を活かして、現地の小中学校で子どもたちの自主性を育み、学校全体の教育の質を高める活動に取り組みました。

着任当初は、学校周辺でゴミのポイ捨てが目立つ状況でした。そこで梶さんはゴミ箱を増やしたり、分別を促す掲示をつくったりして、子どもたちにリサイクルの習慣を身につけてもらえるよう働きかけました。また、体育の授業は座学が中心で、ほとんど体を動かす機会がなかったことから、「実際に体を使って学ぶ体育」を子どもたちに経験してもらいたいと考え、サッカーの対抗試合を企画、実施しました。子どもたちは楽しみながら体を動かし、授業にも活気が生まれました。

さらに芸術の分野では、月間行事として「アート月間」を設け、モザイクアートに取り組んだり、子どもたちに様々な作品づくりを体験してもらいました。できあがった作品は校内に展示し、生徒の保護者にも見てもらえる場を作りました。普段は学校行事にあまり関わらない保護者の方々も展示を見に足を運び、学校と家庭とのつながりにも変化が見られました。

梶さんは、伊予市で学んだ「いろんなことに挑戦してみること」や「自分から手を挙げて行動すること」が、任国でも大いに役立ったと語っています。東ティモールの学校では、環境教育や体育、芸術など、これまでの経験や持ち前の行動力を活かしながら、さまざまな取り組みにチャレンジしました。

~梶さんの実習中レポートはこちら~
人と人、「ますます、いよし」で繋がる思い | JICA海外協力隊
【シリーズ 愛媛県グローカルプログラム参加 海外協力隊候補生に聞く】Vol.2 | 愛媛グローカル人材育成プラットフォーム

現在、伊予市で活動しているグローカルプログラム実習生とともに。帰国した第1期生からは後輩である実習生2人に向けて「悩むこともあると思うけれど、今の伊予市での活動を思いっきり楽しんでほしい」とエールが送られました。

3人は共通して、伊予市で学んだ「地域コミュニティに入って活動するときの心がけや姿勢」が任国でも大いに役立ったと話しています。任国での活動中も、伊予市の方々とオンラインで交流するなど、伊予市で生まれたご縁を大切にしながら活動を続けてきました。

そして今後は、「協力隊の経験を活かして、任国と日本をつなぐ架け橋として関わり続けたい」、「多文化共生の取り組みを通して、さまざまな背景を持つ人が暮らしやすい社会づくりに貢献したい」という思いとともに、協力隊で得た知見や経験を、これからは日本の社会に還元していきたいと意欲を語っていました。

岡田さん、蜂屋さん、梶さんの報告を聞くために帰国報告会には多くの市民の方々が集まり、参加者からは、「おかえりなさい」「海外で経験した知恵やノウハウを活かして今後も頑張ってください」といった心温まる声が届きました。

本プログラムは、実習生が大きく成長できる貴重な機会であり、そこで得た経験は海外の現場でも活かされています。また、海外で培った知識や経験が日本の地域の活性化にもつながっていくことを願うとともに、ご帰国された第一期生のみなさんが、この学びを力に今後ますますご活躍されることを心から願っています。

伊予市長の武智邦典様も、会場に足を運んでくださいました。

参加者からは任国での活動や現地の様子について質問が寄せられました。

伊予市でお世話になったみなさんと

▼グローカルプログラムについて
JICA海外協力隊グローカルプログラム(派遣前型) | JICA海外協力隊

▼伊予市グローカルプログラムについて
伊予市/JICA海外協力隊グローカルプログラムの受け入れについて
伊予市公式HPグローカルプログラム受け入れ紹介! | 日本国内での取り組み - JICA
【インスタグラム】一般社団法人いよのミライカイギ

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