~緒方貞子さんから何を学び、どう生きるか~連続出張講座 Part2~

2023.10.18

川越女子高校OGから後輩たちに伝えたいこと。

川女OGから聞く国際協力の現場

今回でPart2 になる出張講座は、県立川越女子高等学校(以下、「川女」)で行われました。講師は川女の卒業生でもあるJICA国内事業部の増古恵都子職員。20年以上ぶりの母校を懐かしみながら自身の学生時代や進路、現在に至るエピソードが語られました。高校時代の化学の授業が自身の進路選択に大きく影響したこと、これまでたくさんのことに挑戦しながら時には上手くいかず苦労したことも明るく話す姿に会場は笑い声と温かい雰囲気に包まれました。

川女生のみなさんと

国際協力の原点と現場主義

「冷たいジュースが飲みたい!」これは、増古職員が学生時代にブルキナ・ファソで土壌の調査をしていた時に感じたことでした。過酷な環境下での調査に、途上国の現実を知り、「環境を守る」だけでなく「そこに住む人々の生活を向上すること」も重要な視点であることに気がつき、国際協力の道に進みました。そしてJICAケニア事務所に赴任後は、農業・農村開発分野の事業を担当。市場でトマトが売れ残って腐ってしまうという現場で生じていた課題の解決のため、発想を転換。従来の「作ってから売る」から、市場のニーズを農家自身が調査してから売れるものを作るという「売るために作る」への意識変革を起こす協力を進め、小規模農家が持続的な農業所得を得られるようになりました。これをSHEPアプローチと言い、現在、アフリカ20カ国以上に広がっています。SHEPの成功の裏には、現場のニーズや課題に寄り添う緒方さんの「現場主義」が大きく影響しました。

緒方さんの言葉から考える

講義の途中で参加者と一緒に緒方さんの動画を見た後に、「どの言葉が心に残ったのか」を周りの人と共有しました。話し合いの様子を見ていると、みなさん目を輝かせながら自分の意見を交わしていました。

【川女生からの感想】
・緒方さんの「常に問題を求め、積極的に疑問を出していく、心と頭が必要なのです。難民問題というのは・・・・現場に行かないと分からないということは痛感しました。ただ、本は読まないと。体系的に問題を理解するには、きちっと勉強しなきゃだめなのです。だから、両方ですね。」という言葉から、心で感じたものだけでなく、知識があることでより上手くいくため、どちらも大切にしようと思うきっかけになりました。
・私はまだ将来の夢が決まっていないので、今自分が好きなことを突き詰めたり、いろんなことに好奇心を持って調べていく姿勢を大事にして、進路を決められるように努力していきたいと思いました。
・私は普段周りに合わせて自分の意見を変えてしまうことがあるので緒方さんの言葉であった「周りが引いているときこそ自分が」というのが心に響きました。

最後に増古職員から後輩たちへのメッセージを共有します。
「緒方さんの言葉の中で、「心と頭」が必要というところに共感します。皆さんには、自分が好きなことや、自分の「心」が動くことを大切に、仕事や進路を選んでいただきたいです。もし、今、それがわからなくても大丈夫。自分が面白いと思うことを突き詰めていれば道は拓けると思います。その際に、自分の気持ちだけでなく、冷静に努力して学ぶこと、つまり「頭」も重要です。そして、社会に目を向けてほしいと思います。」

JICA東京では、世界の国々や国際協力に関する様々な教材の提供や国際協力出前講座を実施しています。
ご関心がございましたらJICAホームページまたはJICA埼玉デスクにお声がけください。
次回は春日部女子高校で出張出前講座を行います!

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