労働災害から命を守る、ブータン研修員の挑戦 ~日本の未来を創る若者たちとの交流~
2023.11.27
労働災害から命を守るために、ブータンの国造りに励む研修員、そして、日本の未来を創る若者たち。文化、環境、言語、世代は異なれど、共にこれからの「より良い世界を創る」重要な社会の担い手です。日本でのプログラムを終えたブータン研修員から届いたたくさんのメッセージと共に、日本の未来を創る若者たちとの心温まるエピソードをお届けします。
「労働災害を減らしたい。」その熱い思いを胸に、建設ラッシュが続くブータン研修員ら計15名が、約3週間弱の本邦研修を終え、無事帰国しました。建設労働災害防止に携わる行政官、国営・民営建設企業の工事安全管理者らよる混成チームでした。
ブータンの建設業者や技術者を労働災害から命を守ることを狙いとした本研修。一般社団法人国際建設技術協会をはじめ、多くの講師や関係機関の方々のご協力を得て、カリキュラムが組まれました。建設業における労働安全衛生基準、モニタリング制度・管理システム、リスクアセスメント、教育・訓練制度をはじめ、建設現場における主要な危険予知と災害予防策について、講義、視察、実習、ディスカッションを通じて様々な角度から学びを深めました。
建設機械操作上の安全管理について学ぶ(於:コマツ教習所東京センタ)
墜落防止用安全帯の装着方法を学ぶ(於:酒井重工業研修センター)
墜落防止用安全帯を用いたデモンストレーション実習(於:酒井重工業研修センター)
実際の建設工事現場で労働安全衛生の取組みを学ぶ(於:フジタ・大和ハウス工業JVの造成工事現場)
造成工事中の現場を視察(於:フジタ・大和ハウス工業JVの造成工事現場)
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労働災害から守る ~ブータン研修員の挑戦~
ブータン研修員は、職場体験の一環でJICA東京を来訪した都内中学生とも心温まる交流の機会がありました。ブータン研修員からの問いかけに、中学生がこんな風に答えてくれました。
Q:「中学生の皆さんにお聞きします。経済的に豊かな先進国、日本。私たちは、今回の訪日でそれを肌で実感しています。将来、日本はどんな社会であって欲しいですか?」
━Aさん:「障害の有無や、環境の違いなどに関わらず、誰一人取り残されることなく安心して生活ができますように。私はそんな福祉が充実した社会になって欲しいと思います。」
━Bさん:「僕たち一人一人の夢が将来、実現可能な社会になってこそ、本当に豊かな社会だと思います。」
「君たちのようなしっかりした中学生がこれからの日本を支えていくと思うと、日本の未来は明るいですね。」とブータン研修員らから口々に称賛の声が沸き上がりました。ブータンの国造りに励む研修員、そして、日本の未来を創る若者たち。文化、環境、言語は異なれど、共にこれから「より良い世界を創る」という点では共通しているかもしれません。
「将来、日本はどんな社会であって欲しいですか?」ブータン研修員から中学生へ、問いかけます。
「日本での学びを、帰国後どのように生かしたいですか?」中学生からの質問に丁寧に回答するブータン研修員フルパさん。
都立桜修館中学校2年生の皆さん、堂々と英語で自己紹介。会話が弾みました!
ブータン研修員と日本の中学生、心温まる交流ができました。よりよい世界のために一緒に頑張りましょう!
ブータン伝統織物のお土産(ブータン青少年障害者職業訓練センターのハンドメイド作品)を手に素敵な笑顔です。
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研修終盤、ブータン研修員は日本での学びを踏まえ、グループディスカッションを行い、帰国後の活用について発表を行いました。研修員の皆さんは熱い思いを胸に、ブータンへの帰国の途につきましたが、本当の挑戦はこれからです。日本で得た様々な知見、講師や日本の関係者の方々との絆や信頼関係、頼れる仲間達、心に刻まれたたくさんのものを大切に、これからのブータンを創っていくことを願って止みません。
帰国後、研修員達から次々とたくさんのあたたかい感謝のメールが届きました。ほんの一部ですが、多大なご支援をいただいた関係者の皆様への深い感謝と共にご紹介いたします。
━「このプログラムに参加し、本当に様々なの知識を得ることができました。それだけでなく、この研修に一緒に参加した仲間達、講師の方々、とても意義深い絆を築くことができました。私たちが専門職としてこれからの人生の旅路を歩む上で、とても貴重な財産になりました。」
━「ブータンの建設業界の労働安全衛生を促進させるために、この研修での学びは、本当に開眼させられる思いがしました。」
━「我々の親と同じぐらいの愛情をもって私たちに接してくださり、心の奥底から数えきれないぐらいの感謝を伝えたいです。」
━「新しいアイディアや知識を得て、人生を一歩前に踏み出すための新たな機会を示して下さいました。講師の方々、JICA関係者の皆さまとの貴重な出会いは、決して忘れることはありません。」
━「ブータン出国から帰国まで、JICAファミリーの皆さんのたくさんの心くばりや優しさを感じました。この場所は私の第二の故郷であり、別れを告げるのは辛いです。ここで作った思い出は一生忘れないです。」
「どこに労働災害リスクがあると考えますか?」平山講師(JICA国際協力専門員)からの問いかけに、研修員が意見を出し合いました。
帰国後、日本での学びをどのように活用・応用していくか、グループで議論した内容を発表しました。
私たちの合言葉、「Go Anzen-Ni(ご安全に!)」で記念撮影。無事研修を修了し、笑顔がこぼれます。
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