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“日本で1番”南スーダンを応援する都市・前橋市

2024.08.21

田中博之南スーダン事務所長(一番右)と田中泉東京センター所長(中央)が小川市長(右から2番目)を表敬訪問しました。

東京2020大会をきっかけとした前橋市と南スーダンの交流 ~オリパラレガシーを未来へ繋ぐ~

 オリパラ東京大会で南スーダンのホストタウンとなった前橋市は、2019年から長期にわたり陸上選手団の受け入れを行い、その間に選手たちは学校への訪問や地域イベントへの参加を積極的に行うなど、日本文化に触れながら多くの市民たちと交流を深めました。2020年に新型コロナウイルスがまん延し始めて大会が翌年に延期になった後も選手団は帰国せず前橋市に残り、大会までトレーニングに励みました。この費用はふるさと納税が活用され、多くの市民の方が南スーダン選手の活動を支えました。
 前橋市と南スーダンは大会終了後も交流が続き、大会当時陸上チームの中心的選手だったアブラハム選手は前橋市を「第二の故郷」と呼び翌年にも前橋市に訪れて市民との交流を行ったほか、引き続きふるさと納税が活用され2023年には市内に拠点があるJリーグクラブであるザスパクサツ群馬アカデミーU-18に南スーダン出身のサッカー選手2名が約5か月間、研修という形で入団して数か月トレーニングを積みました。
 今回南スーダン事務所長が市長のもとを訪問し、南スーダンの現状とこれまでの前橋市との交流の積み重ねを振り返るとともに、前橋市が「“日本で1番”南スーダンを応援する都市」であり、今後の交流継続への期待をお伝えしました。

南スーダンの現状

 1956年にイギリス・エジプトによる共同統治からスーダン共和国が独立して以降、内戦状態が続いていた中、南スーダン共和国は2011年にスーダンから分離独立しました。独立後の2013年、2016年にも紛争が起きており、難民数230万人、避難民数220万人、世界平和度指数(GPI)は161位(163カ国中)と、不安定な情勢が続いております。人間開発指数(所得、寿命、教育の側面から評価した指標)が192位(193か国中)で、国民の6割弱が食糧危機に瀕しているなど、貧困による開発の遅れが顕著である一方、40%以上が15歳未満という若年層の比率が多い国であり、男子バスケットボールのナショナルチームが今年のパリ五輪に出場するなど、可能性に満ちた国です。
JICAはスポーツを通して南スーダンの平和促進を支援しており、全国スポーツ大会「国民結束の日(National Unity Day)」の開催の支援や、学校における体育教育や地域のスポーツクラブにおける「スポーツを通じた平和促進」活動の支援を行っています。

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