「特活」と「総合の時間」から学ぶ!日本式教育
2024.12.12
地域理解プログラムに参加したJICA留学生の皆さん
プログラムの前半では、埼玉県行田市立忍中学校を訪問しました。初めに校内見学を行い、図書室や理科室などの設備や、数学や英語、技術などの授業を見学しました。留学生たちは、体育館で跳び箱やマット運動に励む生徒たちを見ながら、母国で行われる体育の内容と比較して気付いた点を話していました。また、図書室では、日本の漫画や児童向けの日本古典文学がずらりと並んだ本棚を、興味津々の様子で覗き込んでいたのが印象的でした。
3年生の総合的な学習の時間では、身近な企業のSDGsの取り組みについてのグループ発表を見学しました。留学生たちは、生徒たちの自主的なリサーチを元にした発表の数々に、真剣に耳を傾けていました。
また、今回の訪問を意識してか、テーマについて調べた感想を英語で読み上げる生徒もおり、留学生たちからは笑顔で拍手が上がりました。
図書室にて、児童向け小説のページをめくるJICA留学生
体育館では、跳び箱とマット運動を見学しました
お昼休みの時間には、給食の配膳を見学し、生徒たちと一緒に昼食を楽しみました。留学生たちは、給食のおかずの食材について質問したり、母国と日本の学校の違いについて話したりするなどして、生徒たちと楽しいひと時を過ごしていました。
留学生に果敢に英語で話しかける生徒の皆さんが印象的でした。
給食の後には、生徒による学校の清掃が行われました。留学生たちは、生徒たちとともに箒(や雑巾)を手に取って、廊下や玄関の掃除を体験しました。丁寧に床の雑巾がけをする生徒や、掃除のために玄関の外へ駆け出していく生徒を見て、留学生たちは、生徒自らが積極的に掃除に励む様子に大きな感銘を受けていました。今回の訪問を通して、留学生たちは日本の「特活」の実情を学び、母国の教育に与するような数々の気づきを得られたのではないかと思います。
生徒と黒板掃除をしたり、箒で教室の床を掃いたりしました。
プログラムの後半では、埼玉県立総合教育センターにて、「他国と日本の教育の違い」をテーマにしたワークショップが開催されました。留学生たちは総合教育センター職員の方々と、母国と日本の教育についてのグループ・ディスカッションを行い、その中で、各国の教育制度や学校の設備、受験文化など幅広いテーマに関する意見交換がなされました。朝礼行事ひとつにその国の教育方針が表れていたり、同じ公立の学校でも国によって教育環境が大きく異なっていたりと、ディスカッションを通して数々の発見がありました。この機会を通して、双方が多角的な視点から、教育に関する(新たな)学びを得られたのではないかと思います。
各国の教育制度の説明に耳を傾ける皆さん。班ごとに議論した内容を共有しました。
参加した留学生からは、「授業によって教室を変更する柔軟さや、生徒たちと教師の和やかな関係性などを参考にしたい。」「各プログラムで、異なる学びが得られた。特に、生徒たちによる清掃の様子に感銘を受けた。」「各国の教育制度の特徴を学ぶことができて良かった。」などの声が寄せられました。
今回のプログラムは、留学生が日本式教育や各国の教育についての知見を深める、非常に貴重で有意義な学びの機会となりました。ご協力いただいた埼玉県行田市立忍中学校の皆さま、埼玉県立総合教育センターの皆さま、本当にありがとうございました!
埼玉県立総合教育センターの皆さま、本当にお世話になりました!
JICAインターン生(東京センター 長期研修課)
東京外国語大学 高橋結衣
◆関連リンク
・JICA開発大学院連携 - JICA開発大学院連携/JICAチェア
・研修員受入事業(長期) | 日本国内での取り組み - JICA
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