JICA留学生が群馬県大泉町で多文化共生を学びました!
2025.02.13
2025.02.13
JICAでは、将来母国の未来を支えるリーダーとなる留学生に向けて、日本の地域の近代化や開発経験などを伝える取組を幅広く推進しています(地域理解プログラム)。
その一環として実施した今回の群馬県邑楽郡大泉町訪問には、日本の大学院に在籍するJICA留学生18名が参加。群馬県の東南に位置し、北関東でも屈指の工業都市を誇る大泉町。同時に、インターナショナルタウン(ブラジルタウン)としても知られている大泉町において、自治体や観光協会、企業による多文化共生にかかる取組を学びました。
1990年の入管法(出入国管理及び難民認定法)改正により日系2世・3世の就労制限がなくなると、日系ブラジル人をはじめとする外国人材の需要が拡大。労働力不足の課題を抱えていた大泉町では、当時から外国人の安定雇用を目指した先駆的な取組が行われてきました。その後、官・民による共生のための取組や安定した雇用などにより外国人労働者の定住化が進み、現在では町人口の20%以上が外国人で構成される国際色豊かな町となりました。
町役場と大泉町観光協会の講義を通して、外国人の労働状況や多文化共生の取組(コミュニティーセンターの設置、多言語による情報発信、教育・福祉支援、文化交流など)に加え、人口減少が進むこれからの時代における共生の意義・必要性などについて学びました。
大泉町は群馬県で一番小さい町ですが、この町にはスバルやパナソニック、大手食品会社の工場をはじめ多くの工場があり、北関東でもトップクラスを誇る「工業の町」です。外国人労働者も多く、外国人を雇用する企業においても共生の取組が積極的に行われています。
労働の定着・長期的な雇用を実現するには、安定した収入を得ることだけではなく、一人一人が働くことにそれぞれの「価値」を見出すことが重要です。訪問先企業では、ドナルド・E・スーパーの「14の労働価値」をベースにワークショップを行い、参加した研修員がそれぞれ「働くこと」の意味を考え、自身の労働観を共有するとともに、様々な考えに触れる機会となりました。
また、外国人労働者が大きな役割や責任を果たしている工場の見学も行わせて頂きました。
参加した留学生からは、「自治体や観光協会による外国人との共生に係る取組が地域で果たす役割の重要性を学んだ。」「多文化共生について理解を深めるとともに、視野が広がった。」「地方の人口減少が進む中での多文化共生の重要性を知った。」「ワークショップを通じて、自身の労働観を見つめ直すことができた。」「新しい気づきや視点を得ることができた」といったポジティブなコメントが多く寄せられました。
参加者にとって、自分が生活する地域で多文化共生の実現のために何ができるのかなどを考える貴重な機会となりました。
JICAでは、今後もより多くの留学生に日本の経験を紹介し、そこから国づくりのヒントを得てもらうことを期待するとともに、親日派・知日派の育成に力を入れていきます。
最後に、大泉町、大泉町観光協会、訪問企業のご関係者をはじめ、本プログラムにご協力頂いた皆様に改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
JICA東京 長期研修課
関連リンク:
JICA開発大学院連携/JICAチェア | 事業について - JICA
地域理解プログラム | 事業について - JICA
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