【実施報告】障害平等研修
2025.02.28
JICA東京では、2025年2月20日(木)に障害平等研修(Disability Equality Training:DET)を行いました。今回の研修にはJICA東京職員や受付スタッフ、施設・設備担当者など、JICA東京で働くスタッフ合計28名が参加しました。
研修では、特定非営利活動法人障害平等研修フォーラム(DET Forum)に所属する障害当事者のファシリテーターの皆さんと一緒に「障害とは何?どこにある?」という問いについて考えました。
参加者は、それぞれが考える「障害とは何か?」についてグループで話し合いました。また、“歩行障害”“聴覚障害”といった個人の機能的な障害のみならず、障害があるからという理由でサービスを受けられない事例など、社会的な排除が存在することを学び、「障害はどこにあるか?」について考えました。
4人1組のグループに分かれて「障害とは何か?」について話し合う参加者
「障害とは?」について理解を深めたあとは、「それを解消するために何ができるか?」について考えました。
最後に、研修を通して変わった自身の視点や考え方を発表し合いました。
JICA東京では草の根技術協力、開発教育支援、民間連携、研修員受入など、多くの事業を実施しています。また、JICA東京にある食堂『Oasis』は、地域の皆様、一般の方々にも広くご利用頂いています。
参加者は、それぞれが担当する業務において今回の研修で学んだことを活かすために何ができるかを話し合いました。
特に、研修員受入事業では開発途上国から年間約4,000人の研修員が来日し、毎日多くの研修員がJICA東京の宿泊施設や食堂を利用していますので、研修事業を担当するJICAのスタッフと施設担当者が「障害を解消するための行動」について、それぞれの視点で意見交換できた貴重な機会になりました。また、研修を通じて得た学びを生かして、研修員にとって過ごしやすい環境に改善していくことは、JICA東京を利用する全ての人たちにとっても過ごしやすい環境へとつながる重要な取り組みであることを深く認識しました。
グループで話し合ったことを発表する参加者
参加者からは以下のコメントや意見が寄せられました。
・研修は障害者がテーマであったが、日本における外国にルーツのある生徒など、他にも同じように配慮が必要なケースが多くあると感じた。
・障害に対する視点が変わるきっかけになった。館内のバリアフリーや研修員が障害者だった場合の対応について、この研修を機会に更に考えを深めていきたい。
・JICA東京のHPが視覚障害者に対応していることを知らなかった。研修をきっかけにHPのバリアフリーにも意識を持つようになった。
・自身が担当する研修事業において、障害者の参加を奨励するような記述を募集要項に記載する必要があると感じた。現在の募集要項を見直していきたい。
また、障害のある参加者からは以下の感想を頂きました。
・「障害とは何か?」についてグループで話し合った際、最初は「障害とは個性である」と話していた参加者が、研修後には「障害とは非当事者からの一方的な価値観の押し付けによって障壁が作られ差別が生まれること」と回答していたことが印象的だった。“障害は社会が作っているもの”という考え方に留まらず、大多数の障害を持たない人の価値観の押し付けによって作られているという気付きはとても大切な視点だと思った。
JICA東京では、施設で働く全ての職員が一丸となって、これからも障害に対して意識を高め、障害を解消するために様々な取り組みを続けインクルーシブな社会づくりに取り組んで参ります。
最後になりましたが、今回の研修を実施してくださった特定非営利活動法人障害平等研修フォーラム(DET Forum)の皆様に厚く御礼を申し上げます。
DETの皆様と参加者の集合写真
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