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東京フィルハーモニー交響楽団より、4月の定期演奏会にご招待いただきました

2025.05.19

忘れられない体験ー温かな響きの左手ピアノとオーケストラの演奏に心から感激する研修員

東京フィルハーモニー交響楽団は国際交流事業の一環として、海外からの留学生や研修員を定期演奏会に招待する制度を設けています。
この度、JICA研修員を4月の定期演奏会にご招待いただき、ザンビア、チュニジア、マレーシア、メキシコ、ケニア、インドネシア、アゼルバイジャン、ブラジル、ウズベキスタンから自国の課題解決のため来日している研修員10名が参加しました。

プログラム
第一幕
尾高惇忠/『音の旅』(オーケストラ版)より
第1曲「小さなコラール」
第5曲「シチリアのお姫さま」
第15曲「フィナーレ~青い鳥の住む国へ~」
第二幕
ラヴェル/左手のためのピアノ協奏曲*〈ラヴェル生誕150年〉
第三幕
エルガー/交響曲第3番(A. ペイン補筆完成版)

指揮:尾高 忠明
ピアノ:舘野 泉

本公演の指揮者 尾高忠明氏は、曾祖父 渋沢栄一が主人公の大河ドラマ「青天を衝け」のテーマ曲の指揮を担当するなど、現代日本を代表する指揮者であり、第一幕では同氏の実兄の作品が演奏されました。
宮沢賢治の童話にインスピレーションを得て書かれたという、とっても可愛らしい連弾曲のオーケストラ版です。実兄の曲で指揮を振られる姿は非常に生き生きとして、とても77歳には見えませんでした。

第二幕では舘野泉氏がソリストとしてステージに車いすで登場しました。同氏は、20年前に脳溢血により右半身の自由を失って以降、精力的に左手のためのピアノ曲普及を推進され、演奏会もよく開かれています。
尾高忠明氏の指揮で、繊細かつ温かみのあるラヴェルの左手曲を演奏した後、満場の拍手で迎えたアンコールでは、尾高さんが館野さんのピアノをうっとりと聞いていらっしゃったのが印象的でした。研修員も館野さんの演奏にとても感激し、後日インスタグラムに投稿する者もいました。

第三幕のエルガー「第3交響曲」は、未完だったものを1997年に補筆され完成したもの。エルガー協会から日本人で初めてメダルを授与され、エルガーの演奏では世界で最も著名な一人であるマエストロ、尾高さんの思い入れのある楽曲は本当に素晴らしかったです。研修員も一流のオーケストラの演奏に心から感動し、インスパイアされていました。
いつも国境を超えて音楽の素晴らしさを体験させてくれる東京フィルハーモニー交響楽団のみなさまに、心より御礼申し上げます。

東京フィルハーモニー交響楽団
https://www.tpo.or.jp/

・クラシックコンサートを初めて観た私にとって、忘れられない体験となりました。演奏家、会場、そしてもちろん素晴らしい指揮者が完璧なショーを演出していました。さらに、ピアニストのマエストロも最高の演奏を披露してくれました。館野さんに敬意を表します。また聴きに行きたいです。

・東京フィルハーモニー交響楽団のみなさまに、公演に参加する素晴らしい機会をいただき、心から感謝します。
私にとって忘れられない演奏で、刺激を受け、内省させられるような素晴らしい芸術に触れることができました。
特に交響曲第3番ハ短調作品88は、その感情的な深みと力強く響くダイナミックレンジに魅了されました。
また、88歳の舘野泉氏が右半身不随のため左手だけで弾いた「左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調」も心に残る演奏でした。彼の演奏は深い感動とインスピレーションを与えてくれました。
指揮者の尾高忠明氏の見事な指揮のもと、オーケストラは情熱と精密さを持って音楽に命を吹き込みました。
この思い出に残る、意義深い文化体験に、重ねて感謝いたします。

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