jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

東京フィルハーモニー交響楽団より、5月の定期演奏会にご招待いただきました 

2025.06.02

壮大で情緒的なミハイル・プレトニョフの世界に魅了される研修員

東京フィルハーモニー交響楽団は国際交流事業の一環として、海外からの留学生や研修員を定期演奏会に招待する制度を設けています。
この度、JICA研修員を5月の定期演奏会にご招待いただき、フィリピン、セントルシア、メキシコ、アゼルバイジャン、ブラジル、ケニア、タイ、ナイジェリアから自国の課題解決のため来日している研修員10名が参加しました。

プログラム
第一部
ショパン(プレトニョフ編)/ピアノ協奏曲第1番*
第二部
チャイコフスキー/バレエ『眠れる森の美女』より(プレトニョフによる特別編集版)

指揮:ミハイル・プレトニョフ
ピアノ:松田華音*

今回のテーマはマエストロ プレトニョフの編纂を存分に味わう「プレトニョフの世界」。
第1部のショパンのピアノ協奏曲第1番は解釈によって様々なアレンジがされるそうですが、今回は指揮者本人による編纂。
プレトニョフ氏の繊細で計算されたような指揮の下で紡がれる音楽は、松田さんのピアノとオケが掛けあいをするようで、歌い合うような語り合うような、耳心地の良い一曲でした。
一部の終わり、松田さんのチャイコフスキー 「くるみ割り人形」のアンコール演奏では、ピアノ一台で描きあげられる世界の可能性は無限大だと感じ、第二部への応援と、プレトニョフ氏の世界を更に味わい深くする演奏でした。

第2部のチャイコフスキーの三大バレエの一つ「眠れる森の美女」よりプレトニョフ特別編集版では、中盤のバイオリンの独奏がとても素晴らしく印象的でした。誰もが知る有名なグリム童話の世界が奏で上げられ、壮大で大迫力のフィナーレと共に会場が拍手喝采に包まれる中、アンコール形式で第1幕の「パ・ダクシオンよりアダージョ」は意表を突く演出で、冒頭を彩るハープの旋律が美しかったです。

研修員はマエストロとオーケストラのつくりだす世界にすっかり魅了され、「人生で経験した中で最高のパフォーマンス」「天国にいるようだ」と言っていた研修員も。なんと新潟の大学から駆け付けた研修員もいて、壮大な音楽に感極まっていました。
今回の公演ではショパンが祖国ポーランドを経つ前に発表した第一番と、研修員たちの日本への旅立ちが重なり、また、ショパンとプレトニョフ氏の編纂、ピアノとオケの綿密な掛けあいは、JICAのテーマでもある「共創」の素晴らしさを感じさせてくれました。
二部の掉尾に第一幕を置いたプレトニョフ氏の趣向には、物語はこれで終わりではなく、続いていくよというメッセージが感じられ、研修員らがいずれ帰国し、日本での物語を語り継いでいくという暗示にも受け止められて感慨深いものがありました。
いつも国境を超えて音楽の素晴らしさを体験させてくれる東京フィルハーモニー交響楽団のみなさまに、心より御礼申し上げます。

東京フィルハーモニー交響楽団
https://www.tpo.or.jp/ 

参加した研修員のコメント

  • この素晴らしいコンサートを体験する機会を惜しみなく提供してくださったことに心から感謝いたします。
    貴楽団のワールドクラスのパフォーマンスを目の当たりにできたことは、本当に光栄なことでした。
    このような瞬間は創造性を高めてくれて、芸術が人々を結びつけ、喜びをもたらす力があることを私たちに思い出させてくれます。この思い出に残る体験をありがとうございました。
  • 私は東京フィルハーモニー交響楽団のコンサートに今回初めて参加しました。
    始まりから最後の曲まで、すべてが完璧でした!この経験に感謝します!ピアニストは本当に本当に素晴らしかったです。
    指揮者は皆をリスペクトし、演奏家を認めてくれていました。音楽は普遍的な言語です。
    もう一度この体験ができることを願っています。

\SNSでシェア!/

  • X (Twitter)
  • linkedIn
一覧ページへ