多文化共生会議 in 草津温泉が開催されました!
2025.06.05
2025.06.05
群馬県には草津温泉をはじめ、伊香保温泉、四万温泉、水上温泉等、数多くの温泉地があり、県内の重要な観光産業となっています。群馬県の調査によりますと、2023年 の県全体の観光入込客数は6千万人を超えています。
草津温泉では2024年度の入込客数が初めて400万人を超え過去最多を更新しました(コロナ禍前の最高値は2019年度の327万人)。
これら多くの温泉地の宿泊業界では多くの外国人材が働いており、草津温泉ではその中でも特にネパール人労働者が町の観光産業を支えています。
しかしながら、職場や日常生活において地域の日本人と外国人との間でのコミュニケーションの場が限定的なため、価値観や文化等の相互理解が十分とは言い難い状態が続いていました。
そこで課題を解決し、多文化共生社会を構築するきっかけづくりのために、草津温泉観光協会、草津町でコワーキングスペースを運営する株式会社アントレース、群馬大学を拠点に活動する学生団体COEMUの3者共催による「多文化共生会議 in 草津温泉」が企画・開催されました。
JICA東京は主催者の学生団体COEMUから事前研修依頼を受け、前橋市のコワーキングスペースGITYにて、イベントの1週間前の5月18日にJICA海外協力隊経験者 2名による参加学生 対象の講義を実施しました。
第一部では、ネパールに派遣されていた元協力隊員 でJICA筑波(配置先:栃木県国際交流協会)の大貫国際協力推進員 がネパールでの活動を紹介しながら、経験を基に異文化の中で少数者(マイノリティ)として生活して感じたことや、帰国後に勤務した小学校で実践した国際理解教育について講義しました。
第二部では、ホンジュラスに派遣されていた元協力隊員 でJICA東京高崎分室の武井国際協力推進員 が、ラテンアメリカ地域での生活の経験から、日本国内の多文化共生社会構築のために 意識していることや、無意識のうちに自分が作っていた壁や境界線について講義しました。
2名の講義の後には参加学生がそれぞれグループワークを実施し、共感したことや驚いたこと等を共有し学びを深め、研修会の最後にはイベントに向けた心構えを整理しました。
大貫推進員の講義を聴く参加者
講義後はグループに分かれて感想の共有
5月25日、草津温泉のホテルヴィレッジにて、草津 町民をはじめ、大学生、群馬県太田市に拠点を置き主に群馬県内在住のネパール人を支援する一般社団法人サーザ福祉協会の方々等約40名が参加し、一日掛かりの交流イベントが実施されました。
まず、サーザ福祉協会によるネパール紹介を通じて国の基礎情報を学びました。その後は持ち寄られた置物や楽器の説明を聞いたり、即興で踊ってみたり、ネパールの民族衣装について質問したりと、参加者は最初はお互い緊張した様子でしたが徐々に打ち解けていきました。
午後は3グループに分かれた対話セッションを行い、お互いが文化の違いで驚いたことや疑問に思っていること、困りごとなどをざっくばらんに話し合い、相互理解を深めました。
今回のイベントは草津町での多文化共生を考えるきっかけになりました。
JICA東京は多文化共生社会の構築のために、日本で暮らす外国人住民と地域の日本人住民がお互いをよく理解し、より良い関係を築くための場づくりをサポートしていきます。
群馬県内での外国人材受入や多文化共生支援に係るご相談は高崎分室までお願いいたします。
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