【埼玉県】\第16回伝え隊、学び隊、語り隊を実施しました/
2025.08.20
2020年から始まった“伝え隊、学び隊、語り隊”は、JICA埼玉デスクと「世界に目を向けよう~今、私たちにできること」(地球市民学習を基に定期学習会やイベント等の活動をしているさいたま市のボランティア団体)の共催イベントです。小学生から大学生、社会人、教員やNGOの方々など様々な方が参加しています。このイベントでは、テーマについて参加者それぞれの視点から思っていることを共有することで、誰もが主人公となり自分たちにできることを「ジブンゴト」として仲間と語り合い交流しています。今回で16回目を迎えますが、すでに次回の開催が待ち遠しいとの声がありました!
午前の部では、お二人の方にご自身の「体験」についてお話しいただきました。
1人目のパネリストである小学6年生の小林さんは、ブルーベリー農園でのお手伝いや鴨のお世話の経験、そしてその鴨が捌かれる様子を見て感じたことについて語ってくれました。特に印象的だったのは、「今の時代、タブレットがあれば何でも知ることができる。しかし、実際に現地に行くことで生産者の想いや背景を感じ取ることができる」という言葉です。小林さんは、体験することの素晴らしさや“本当の意味での理解”の大切さを、自らの経験を通して参加者に伝えてくれました。
2人目のパネリストは、市川市被爆者の会・事務局長の青木さんです。昨年、ノーベル平和賞授賞式が行われたオスロに参加されました。青木さんは4歳のときに広島で被爆し、その朝の様子を自身の描いた絵とともに説明してくださいました。そして「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ」と、同じような悲劇が二度と繰り返されてはならないという強い思いを語り、語り継ぐ人が少なくなっている今、少しでも多くの人にその実情を知ってもらいたいというメッセージを参加者に届けました。
午後の部では、ウガンダの小学校で野菜栽培の職種に従事している瀬底隊員とオンラインでつながりました。
瀬底隊員が参加者に投げかけたミッションは、「もし自分だったらどうするか?」と想像力を働かせて考えることでした。たとえば、「畑の作物に水やりをしなければいけないが、水を汲む場所から畑まではかなりの距離があり、しかも多くの水が必要になる。そんなとき、どうすればよいか?」という問いに対し、参加者たちは「バケツリレーのようにみんなで協力する」といったアイデアを出し合い、知恵を共有しました。
実際には、ウガンダの小学生たちは水やり当番表を作成し、それをみんなが見える場所に掲示していました。その様子を見て、瀬底隊員は安心していたそうです。しかし残念なことに、当番の生徒たちが次第に来なくなってしまい、作物は枯れてしまいました。
そこで瀬底隊員は、改めて「もし自分だったら、しっかり当番を果たせるだろうか?どうすれば生徒たちが当番を続けてくれるだろうか?」と問いかけました。それに対して参加者からは、「作物に愛着を持たせるために名前をつけてみてはどうか?」「日本の小学校で朝顔を育てるように、自分の作物として育てるのはどうか?」といったさまざまな意見が出されました。
もしこの先、瀬底隊員の畑の作物が元気に育ったとしたら、それはもしかすると、今回の参加者のアドバイスが役に立ったからかもしれません。
実際にウガンダに行くことは簡単ではありませんが、瀬底隊員の話を通して、参加者はまるで自分ごとのように考えることができました。
次回の伝え隊・学び隊・語り隊は冬休みの開催を予定です。みなさんのご参加をおまちしております。
また、JICAでは海外協力隊として派遣されている隊員とオンラインでつなぐ出前講座を実施しております。ご興味がございましたら、こちら(オンライン出前講座お問合せ・お申込み | 国際協力について - JICA)にお問い合わせください。
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