【レポート】JICA東京1日受入れ研修
2025.09.11
2025年8月20日(水)に開催された、教員を対象とした「JICA東京1日受入れ研修」の様子をお伝えします。
東京都や埼玉県などから集まった小中高の先生たちと一緒に、国際協力や探究学習について学ぶ1日。JICAって名前は聞いたことあるけど、実際何をしているの?というところから始まり、教材体験や高校生とのワークショップまで、盛りだくさんの内容でした。
初めに職員からJICAの具体的な活動についての説明。教育分野では出前講座、短期研修員の学校訪問、教師海外研修、教材提供などを紹介し、先生や子ども向けのプログラムがいろいろあることを参加者たちへ知ってもらえる機会にもなりました。
教材提供については言語カードや総合的な学習(探究)のアイデア集
など、授業に使える教材がたくさん。QRコードでダウンロードできるので便利です。
校種の違う先生とのグループに分かれて、探究学習や総合的な学習時間についての悩みを共有。出てきた課題は…
・子どもたちの興味を引き出すのが難しい
・自主性を育てるのが大変
・教科書がないので授業計画が立てづらい
・地域差や校種によって取り組みにばらつきがある
・教員の負担が大きい
などなど。
「探究って言われても、何から始めればいいの?」という声が多く、教材や外部支援の必要性を感じました。
JICAで作成している教材をいくつか体験していただきました!一番盛り上がったのは「ものはどこからきているの?」カードゲームです。材料カードと製品カードを神経衰弱のように組み合わせていくシンプルなルールですが、「○○って○○からできているんだ!」「この原料は○○国から輸入されているんだね!」等々、先生達も新しい発見をしながら楽しんでいました。
このゲームは、日本と世界の相互依存を理解するためのゲームで貸し出しも行っています。詳しくはこちら
午後は埼玉県の高校生たちが探究の研修の一環としてJICA東京を訪問。長期研修員との交流ワークショップを実施しました。高校生は3~4人ごとのグループに分かれ、そこに先生達が入り学びの様子を観察します。
今回、講師として来たのはウガンダ、ケニア、ガーナ、タイ、ジョージア、エチオピアの研修員。まずは高校生へ自国の文化について話し、高校生が英語での質問を通して、日本の文化との違いや共通点を学びました。英語でのコミュニケーション、最初は緊張しながらも、ジェスチャーを使ったり事前に単語を調べたりして、一生懸命話していました。
交流のあとは、印象に残ったことやこれから探究してみたいことを共有。高校生たちの発表もユニークで、「日本はYesばかり言って意見をはっきり言わない」「ウガンダでは緑色のバナナを料理して食べる」「ケニアではゴミを拾って生計を立てる人がいる」など、研修員の話を聞いて色々な発見があったようです。
中には「難民問題を音楽で解決できないか」「移動型図書館で教育支援できるのでは?」という探究テーマも出てきて、発想の柔軟さに感心しました。
今回のプログラムを通して「探究って、正解を探すことじゃなくて、問いを持ち続けること」に改めて気づかされました。
「エモ(感情)」「モヤ(疑問)」を大事にする教育って、知識だけじゃなくて、心を動かす学びなんだなと実感し、先生たちも「日々忙しいけど、こういう時間があるとリフレッシュできる」と話していて、参加された先生方がJICAの活動や教材を活用いただき、それぞれの教育現場にフィードバックできる機会がもっと増えることを願っています。
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