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「長期研修員の素顔と魅力⑥~」

2025.12.15

JICA東京では、2025年JICAインターンシップ・プログラムに参加している日本の大学生・大学院生を受け入れております。インターン生による、開発途上国からの留学生へのインタビュー記事をご紹介いたします。

インタビューアー:小西玲寧(早稲田大学)

長期研修員の紹介:
Mr. NTURANYENABO Jean de Dieu(政策研究大学院大学)

はじめに

今回ご紹介するのは、ルワンダ出身で現在 GRIPS(政策研究大学院大学)で公共政策を学んでいる長期研修員、 NTURANYENABO Jean de Dieu さん です。
母国ルワンダでは財務・経済計画省に所属し、政策立案を担ってきた経験を持つ Jean さん。日本での学び、研究への思い、そして将来のビジョンについてお話を伺いました。

大学での学び:多国籍環境で広がる視野

Jean さんが在籍する GRIPS は、政策科学に特化した大学院であり、世界各国から学生が集まっています。15カ国以上の多様な背景を持つ学生と共に学ぶ中で、「世界の政策を多角的に見る視点が身についた」と語っています。
授業では政策分析、国際関係、計量経済など幅広い分野を学びながら、学生同士で互いの強みを活かし合う協働的な学びを実践しています。
また、日本の教育環境は「理論と実践の両方を重視する点」が特徴で、母国で即戦力となるためのスキルを磨く絶好の機会になっていると話します。
さらに、大学では自身の研究成果を発表する場もあり、日本での学びが確実に自信へとつながっている様子が伝わってきます。

研究内容を発表するJeanさん

研究概要:産業団地は雇用を生み出しているのか

Jean さんの研究テーマは「ルワンダにおける産業団地(Industrial Parks)が雇用創出に与える影響」 です。
ルワンダでは、産業の集積とインフラ整備の効率化を目的に産業団地が整備されてきました。しかし、その投資が本当に地域の雇用創出につながっているのか、十分に分析された研究は多くありません。
Jean さんは次の点に注目して研究を進めています。

・産業団地が 地域住民の雇用をどれほど生み出しているか
・東京の産業団地ではどのような雇用創出が生まれているのか
・政府のインフラ投資が 期待された効果を上げているか

卒業後の抱負:母国の未来に日本の学びを還元する

帰国後は、日本で培ったスキルを母国に還元し、公共政策の策定や財政運営の強化に向けた取り組みを推進していきたいと語っていました。その中でも、特に重点的に取り組みたいと話していた2つのテーマをご紹介します。

1. 日本とルワンダの協力拡大
ICT、交通、再生可能エネルギー、教育、技術移転などの幅広い分野での強みを生かして連携を広げたいとのことです。特にルワンダではまだインフラ整備と教育制度が不十分であり、高度な技術を応用しつつ、政策面から改善に努めたいとのことです。

2. Vision 2050 への貢献 (Vision_2050)
ルワンダが2020年の低所得国から2035年までに中所得、さらに2050年までに高所得国へ成長するために、日本の長期的な戦略や改革から学ぶことを計画しています。産業の成長・若年層の雇用創出、そして政策提言を通じた財政の持続可能性の強化にあります。

グローバルリーダーに向けて:誰も取り残さない社会の実現

Jean さんが大切にしている理念は「Inclusive Growth(包摂的成長)」です。
これは、成長の恩恵を一部の人だけが享受するのではなく、性別や障害の有無関係なく「すべての人が平等に機会を得る社会」を目指すという考え方です。
その実現に向けて必要だと考えるのは、

・弱い立場の人でもアクセスできる教育現場の整備
・「全員が平等に生まれた」という意識を持つこと(マインドセット)
・個人の違いに関わらず誰もが利用できるような公共空間・生活空間の創出
・弱い立場の人でもアクセスできる教育現場の整備

であり、Jean さんはこの理念を政策に反映させたいと話しています。

鎌倉を訪問したJeanさん 北海道に旅行してみたいとか

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