【研修実施報告】「首都圏におけるスタートアップ・エコシステム構築発展」を実施しました
2026.08.26
JICA東京は、課題別研修「首都圏におけるスタートアップ・エコシステム構築発展」を実施しました。本研修には、アジア、アフリカ、中南米、東欧など世界各国から16名の研修員が参加し、来日研修および事後の遠隔研修を通じて、日本におけるスタートアップ支援やエコシステム形成の取組について学びました。
研修では、JICAによるスタートアップ支援、日本のベンチャービジネスの動向、ベンチャーキャピタルの役割、知的財産権の活用などに関する講義に加え、事業計画の策定と評価に関するグループワークを実施しました。また、東京、茨城、長野、埼玉の各地を訪問し、自治体、大学、研究機関、支援機関、スタートアップ企業等の関係者との意見交換を行いました。
講義後には研修員同士での意見交換の時間を設けました
東京都が設立したスタートアップ支援施設TiBを見学(東京都)
特に長野県への視察では、長野県庁を表敬訪問した後、信州スタートアップステーション(SSS)、信州大学、県内スタートアップ企業などを訪問し、地域の特色を活かしたスタートアップ支援の取組を学びました。首都圏の先進的な事例に加え、地方発のスタートアップ・エコシステム形成の事例を学ぶことで、研修員は自国の実情に応じた支援のあり方を検討するとともに、地域企業との将来的な連携の可能性についても理解を深めました。
長野県庁への表敬訪問(長野市)
信州大学国際科学イノベーションセンターを見学(長野市)
コワーキングスペース等が設置されているサザンガクを見学(松本市)
エプソンミュージアム諏訪を見学(諏訪市)
日本文化に触れる機会として、善光寺で精進料理を頂きました(長野市)
松本城の天守閣にも登りました(松本市)
研修後半では、参加者がそれぞれの国や地域の課題を踏まえたアクションプランを策定し、発表・討議を実施しました。また、事後遠隔研修では2日間にわたり10名を超える帰国研修員が参加し、帰国後の活動や成果を共有しました。帰国研修員の中には、研修で策定したアクションプランを自国の状況に合わせて柔軟に見直しながらも、スタートアップ支援の実績を着実に積み上げている事例が数多く紹介されました。今年度研修員からは、「どのようにアクションプランを進め、成功につなげたのか」といった質問が寄せられ、活発な情報共有が行われました。
一方で、「財政的な制約により十分な活動ができていない」といった課題も共有されました。これに対し、今年度研修員からは「同じような課題を抱えている国は多い」「今後もJICAや研修員同士で情報交換を続けながら課題解決に取り組んでいきたい」といった声が聞かれ、研修を通じて構築されたネットワークの重要性を改めて確認する機会となりました。
3年間のアジア、アフリカ、東欧からの研修員同士のオンライン交流(2026年8月4日実施)
3年間の中南米からの研修員同士のオンライン交流(2026年8月5日実施)
本研修は2024年度から開始され、2026年度まで3年間にわたり実施してきました。研修を通じて、参加国のスタートアップ支援関係者が日本の政策や取組事例について学ぶとともに、各国・各機関の経験や課題を共有しながら相互理解を深める機会となりました。
最後に、本研修の企画・運営にあたり、多大なるご尽力をいただいた研修委託先である株式会社ワールド・ビジネス・アソシエイツの皆様をはじめ、ご協力いただいた講師、視察受入先ならびに関係者の皆様に心より御礼申し上げます。
【研修概要】
・研修名:課題別研修「首都圏におけるスタートアップ・エコシステム構築発展」
・実施期間:
(1)事前遠隔研修:2026年6月15日~6月19日
(2)来日研修:2026年7月12日~8月1日
(3)事後遠隔研修:2026年8月4日、5日
・参加者数:16名
・参加国:バングラデシュ、ボツワナ、チリ、コートジボワール、エチオピア、ガーナ、ラオス、マレーシア、メキシコ、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、南アフリカ、ベトナム、ジンバブエ(計14か国)
・研修目的
(1)日本及び首都圏のスタートアップ・エコシステム構築・発展のための政策・施策について理解し、関連アクターとの情報交換を行いながら、自国・都市に合った政策・施策を立案・実施できるようになる
(2)日本のスタートアップ・エコシステム関連のアクターとの関係を構築し、今後の連携について検討する