【連載】日系社会研修 帰国研修員/新規プロジェクトの進捗報告
2024.07.12
2022年度日系社会研修「地域保健医療福祉-病院から地域へ多職種によるチーム医療福祉」コースにブラジルから参加した佐藤ルシアさん。今回は連載企画第2回目のパート2です。これまでの記事を見逃した方はページ下部にありますリンクからぜひご覧ください!
初回は物珍しさもあったのか24名の参加者でしたが、それ以降は、我々スタッフが目指している「引きこもりの高齢者の社会復帰」の対象となりうる高齢者が続けて参加してくれるようになりました。現在6回目を迎えた集会は、平均15名ほどが参加してくださり、毎週1~2人、着実に参加者が増えており、最近は凄く手ごたえを感じることができるようになりました。
もちろん、我々もまだ手探り状態ですが、集会を重ねるたびに、新しい発見があり、反省会ではいつも新しい、また、時には斬新ともいえる意見が出ることもあり、回を重ねるごとにスタッフ全員の意気込み・やる気・成長がうかがえ、本当にうれしい限りです。
しかしながら、毎週継続して集会を行うことは想像以上の負担で、正直、何度かストレスも極限に達した事もありました。しかし、集会後におじいちゃん、おばあちゃんたちが、「今日は本当に楽しかったよ、また来週もよろしくね」と言ってくださり、全ての疲れが癒され、「自分はなぜ弱音を吐いているのだろう。。。恥ずかしい。。。」と言う気持ちになりました。気持ちを新たに、次回に向け色々とプログラムの内容を考え、準備しているところです。
レクリエーション
トルコ行進曲のゆうぎ
おかげさまで今ではスタッフも20名を超え、高齢者の皆さんのお世話も余裕をもってできる体制が構築されつつあります。
5月1日の「労働の日」には、文協(文化福祉協会)が伝統的に行う家族慰安運動会(参加人数は3千人ほど)が行われ、本プロジェクトをできるだけ多くの人に知ってもらうために、会場にブースを設け、スタッフ一同が常時待機し説明を行いました。
7月の中旬には、市内のマリンガ州立大学薬学部の「緊急時応急措置プログラム」の支援の下、「社会(活動)部」が指揮をとり、文協すべての部署と協力して応急措置の研修を行う事が決まっています。これは、特に高齢者の皆さんの緊急時に必要な措置の基礎を学ぶ事が目的となっており、多くの参加者が期待されています。
集会のプログラム内容も、少しずつですが多様化することができるようになり、スタッフもそれに対応できるだけの力をつけてきました。今年も前半が終わりに近づいていますが、我々の目標としては、年末までには毎週の平均参加人数が30名を超えることを目標としているところです。
今は、毎週徐々に参加者が増えているところですが、スタッフとしても急激に参加者数が増えても、満足な形で対応する体制には至っていないので、しばらくは現状を維持しつつ、スタッフのスキルの向上に合わせて参加者数も増える事を願っているところです。
工作(こいのぼり)
切り絵作りの様子
でも、何よりもうれしいのが、高齢者の皆さんのお世話をさせてもらっているスタッフの数が増えると共に、みんなで大きな意義ある目標に向かって団結し、また、スタッフ内で素晴らしい親睦の輪と強い絆が生まれ、これが今は本プロジェクトにとって大きな財産となっています。
手作りのこいのぼりを手に
母の日の記念のプレゼント
「絆」の文字の切り絵
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