「里山マイスター養成プログラム」フィリピンでの遠隔修了式

2020年12月22日

2020年11月27日、草の根技術協力事業「世界農業遺産(GIAHS)「イフガオの棚田」と「能登の里山里海」の持続的発展のための地域連携構築事業(フィリピン)」(イフガオGIAHS支援協議会)において、イフガオ里山マイスター養成プログラム(ISMTP)の修了式が国立イフガオ大学でおこなわれました。オンライン会議アプリを通して、日本からも関係者の方々が遠隔で参加しました。

コロナ禍を乗り越えて

【画像】今回はイフガオ里山マイスター第6期生、19名の修了式です。前フェーズの事業(「世界農業遺産(GIAHS)「イフガオの棚田」の持続的発展のための人材養成プログラムの構築支援事業」)を含めると、これまで養成されたマイスターは合計で100名となります。イフガオは能登と同じく、若者の離村、文化継承などの課題を抱えており、両地域が連携しながら、本プログラムにより農林業や観光業等の振興を担える若手人材を養成してきました。コロナ禍で日本との往来が困難になり、イフガオでは一時移動制限がかかり、修了式の日程が延期となっていました。現地の通信環境は良くなく、大学から遠く離れた地域に住む研修生もいます。実施団体はコロナ禍以前より、遠隔でのコミュニケーション方法を試してきましたが、どのように修了式をおこなうかが課題でした。こうした中、現地の通信環境が改善されたことも功を奏し、日本とフィリピンの両国のプロジェクト関係者が集う修了式を遠隔で何とか開催できないかと関係者が試行錯誤した結果、過去の修了生やフィリピン国内外の関係者も参加できるオンライン修了式を成功裏に実施することができました。日本とフィリピン両国の本プロジェクトの関係者の熱意とご尽力に感謝いたします。

プロジェクトの今後

【画像】修了式では、学長からの修了証書授与の他、成績優秀者および優秀なメンター(※)への表彰も行われました。また、本草の根技術協力プロジェクトが2021年1月8日に協力期間が終了した後も、イフガオ側の独立運営によりISMTPを継続させる決意が学長のスピーチの中でのべられました。イフガオと共通課題を持ち、世界農業遺産の認定地である能登や佐渡との連携は、定期的にオンライン会議やワークショップを行う等、遠隔でも行われています。今後も様々な地域と連携しつつ、プログラムで養成された里山マイスターがイフガオの持続的発展のために活躍することが期待されます。
※メンター:受講生の個人研究課題を指導する担当者であり、受講生により評価が行われる。

日本からのメッセージ

【画像】修了式のなかで、日本側関係者からのメッセージも送られました。実施団体からは、石川県珠洲市の泉谷市長、新潟県佐渡市の渡辺市長、本事業のプロジェクトマネージャー中村浩二氏からの祝辞が寄せられました。また、JICA北陸センター菊地所長から、ISMTP第6期はJICA草の根技術協力事業下で行われたISMTPにおいて、記念すべき最後の期であり、今後イフガオにおいてさらに持続可能な開発が行われ、イフガオと能登の連携が永遠に続くことをお祈りする、というプロジェクトへの期待が伝えられると、会場からは拍手が沸き起こりました。