石川県:JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト かほく市立高松中学校「特別学校賞」初受賞!

2022年3月14日

校長先生より代表生徒さんへ賞状と盾をお渡し頂きました

オンライン全校集会で受賞した書状と盾を見せて報告する代表生徒さん

 東に宝達山を仰ぎ、西は日本海に面し、海・砂丘・丘陵地・山地の豊かな自然に囲まれたかほく市立高松中学校は「生徒の可能性を伸ばす、魅力ある学校づくり」を学校のビジョンとして掲げ、「日本一の中学校」を目指して、落ち着いた雰囲気の中で様々な教育活動に取り組んでいます。
 そんな高松中学校は、長年にわたり、JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテストに応募してくださっています。それは、今から5年前の2017年に初応募・学校賞を受賞したことに始まり、今年「特別学校賞」を初受賞という快挙を達成しました。
今回は、これまでの実績に感謝の意を表すとともに、学校での取組について、高松中学校でエッセイコンテストを担当なさっている櫻井千明先生にお話を伺いました!

歴史の授業のまとめでエッセイを書く 

 本校の3年生は総合的な学習の時間に「国際分野」について学んでいます。4,5年前は総合的な学習の時間でエッセイを書いていましたが、前任の社会科の先生が「歴史のまとめで書いたら面白いのではないか」と発案し、社会科の時間でエッセイを書くようになりました。
 『歴史』の授業は暗記科目となりがちですが、調べ学習を多く取り入れることで、生徒から先生に対して、授業に関連した質問や知識を披露してくれることも。また歴史的背景を学ぶことで、現代の課題に繋がっていることを学ぶ機会にもなっており、「エッセイを書いているうちにだんだん理解が深まる、良いアイデアだ」と思い、継続して授業に取り入れました。

生徒にとって世界の事を考えるのは難しい? 

 世界は生徒にとって遠いものではありません。今年度の総合的な学習の時間では、SDGsをテーマにしました。例えば、科学が好きな生徒であったら水や海洋についてなど、自分が興味を持ったゴールについて、インターネットや書籍を使って調べ学習を行いました。その為、社会科の授業に留まらず、他の教科でも関連する事柄が出てきたら、生徒の方から「今日学ぶことは〇〇と関係ありますか」と質問してくるようになりました。先生が知識を与えるだけではなく、主体的な学習を促すことで生徒の世界が広がり、深まることを実感しました。

個々の学びはグループで共有、そして人に伝える 

 エッセイを書くことが終わりではなく、毎年10月末に開催する文化祭に繋がっていきます。文化祭では、今までの学習の成果を新聞やポスターなどを作成したり、ステージで劇を発表したりします。今年の3年生の中でも印象的だったのは、劇で温暖化について発表していたグループです。
エッセイを書くことは個人で行いますが、劇は学友と協同しないと行えません。個人で理解を深めたことを、グループで劇を行うことで、違う視点から俯瞰できるようになると思います。また、構成やシナリオを作る上で、自分で表現する方法や、どのようにすればより人に伝わるかを考える時間となっています。

1つの教科だけ、一人の先生だけで行っている取組ならば、その先生が転勤や担当から外れると、無くなります。しかし、高松中ではエッセイを書くことの意義を職員で共有できたからこそ、続けることができました。エッセイを書くことを高松中の定番にしていけたらいいなと思います。

エッセイコンテスト担当者より 

 北陸3県には、今回ご紹介した高松中学校のようにエッセイコンテストを活用しながら、興味深い取り組みを行う学校があります。高松中学校3年生には,SDGsについての学習を始める第1回目の授業として,JICA北陸より講師を派遣し、お話をさせていただきました。今後もJICAとのつながりも継続してもらいながら、出前講座や研修員との交流など様々な場面で共有・協力し合う関係でありたいと思っています。今後の高松中学校の活動に注目していきたいです。


JICA北陸 業務課
山崎 航(やまさき わたる)

※1 JICAでは毎年夏季休暇の時期に、全国の中学生・高校生を対象に開発途上国の現状や日本との関係について理解を深め、国際社会の中で日本、そして自分たち一人一人がどのように行動するべきかを考えるきっかけとして、JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテストを開催しています。詳細につきましては以下のリンク先をご覧ください。
※2 受賞には、個人賞のほかに、たくさんの作品をご応募頂いた学校を対象とした「学校賞」があり、また長年にわたり、学校賞を連続して受賞されている学校にはこの「特別学校賞」が贈られます。

<参考> 
エッセイコンテストの応募にあたり、JICAでは出前講座や授業にご活用いただける教材をご用意しております。関連リンクをご確認頂き、ご要望・ご質問がありましたら北陸3県の窓口までご連絡ください。