【終了】プロジェクト・ヒストリー『未来を拓く学び「いつでも どこでも 誰でも」パキスタン・ノンフォーマル教育、0からの出発』出版記念オンラインセミナー

掲載日:2021.04.14

イベント |

イベント内容

JICA緒方貞子平和開発研究所は、JICAの長年にわたる支援を振り返り、その軌跡と成果を分析してまとめた書籍「プロジェクト・ヒストリー」シリーズを刊行しています。その第27弾として、2021年3月に『未来を拓く学び「いつでも どこでも 誰でも」パキスタン・ノンフォーマル教育、0からの出発』を発刊しました。本書では、15年以上にわたるパキスタンにおけるノンフォーマル教育支援事業から得られた成果と、その背景にある「学んで人生を変えたい」と想う人々のエピソードや、その想いに応えるために前進し続ける事業関係者の姿が描かれています。

著者の大橋知穂さんは、2008年からJICAのノンフォーマル教育プロジェクトに携わり、これまで12年間、約2,300万人にものぼるパキスタンの不就学児童のより明るい未来を実現するために活動を続けています。パキスタンでの経験から得たノンフォーマル教育に関する知見やその重要性を多くの人に知ってもらうため、また、全ての人に学習の機会を提供するノンフォーマル教育の考え方は日本に無関係の話ではないことを伝えるため、日本側とパキスタン側、双方の関係者からの協力を経て、本書の発刊に至りました。

ノンフォーマル教育は当初、公教育と比較して「二流の教育」と見なされることが多く、そのため、大橋さんがパキスタン・パンジャブ州で同事業の専門家として着任した際も、周囲からの協力を得るのが難しく、実施体制、予算など、あらゆる面においてマイナス地点からのスタートでした。そのような状況下でも、全ての人が教育を受ける機会を作るという想いで前向きに取り組み続ける大橋さんに賛同する形で、パキスタンの教育大臣や現地専門家を始めとする心強い味方が現れ、その結果、2015年には全国展開を目指すまでになり、パキスタン4州のうち3州と連邦直轄地域にまでノンフォーマル教育事業を拡大するという快進撃を遂げています。

大橋さんの言葉を借りると、ノンフォーマル教育とは、人の命や生活に関わる基盤を守り、育む力を身につけるための学習です。私たちは普段の生活のなかでノンフォーマル教育という言葉を耳にすることはほとんどありませんが、2020年から世界規模で拡大し続けている新型コロナウイルスの影響により日本でも学習の機会を奪われる子どもたちがいる中、必要な教育を受けられないことは、遠く、貧しい国に限った話ではありません。一度外れた“普通の”路線に戻ることの難しさは、パキスタンでも日本でも共通です。誰でも、いつでも、学習の機会をつくることの必要性を本書は強調しています。

2021年4月14日に、同書の出版を記念したオンラインセミナーを開催します。同書の著者である大橋さんと教育Youtuberの葉一さんの対談や、さまざまな立場からインクルーシブな社会に向けた取り組みなどについて議論するパネルディスカッションを行います。

対談登壇者

葉一
経済的な理由で塾に行けない子どものために、無料で視聴できる授業を配信する教育Youtuber。小学生から高校生まで、多くの学生に支持されており、フォロワー数は136万人。

大橋知穂
識字・ノンフォーマル教育・オルタナティブ教育専門家。2008年からパキスタンのノンフォーマル教育プロジェクトに携わる。

プログラム

●開会あいさつ
JICA緒方貞子平和開発研究所 牧野耕司副所長

●対談
大橋知穂さん(プロジェクトヒストリー著者)&葉一さん(教育Youtuber)
コロナ禍での子どもたちの学びを支える:パキスタンと日本の取り組みから思うこと

●質疑応答(対談)

●パネルディスカッション
~インクルーシブな社会に向けた取り組みとパキスタンの取り組みからの示唆~

パネリスト
・AQALプロジェクト・フェーズ2 チーフアドバイザー 大橋知穂
・UNICEF東京事務所 根本巳欧東京事務所副代表
・教育協力NGOネットワーク(JNNE) 三宅隆史事務局長 
・JICA南アジア部南アジア第二課 川谷暢宏課長
司会 
JICA人間開発部基礎教育第一チーム 澁谷和朗課長

●質疑応答(パネルディスカッション)

●閉会あいさつ
JICA人間開発部 佐久間潤部長

問い合わせ

JICA緒方貞子平和開発研究所(担当:高旗)
メール:ditas-rsunit@jica.go.jp 

申し込み方法

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