『大学の国際化とODA参加』

  • #書籍および報告書

大学の国際化とODA参加

日本の政府開発援助(ODA)は、常に日本の大学関係者の協力を得て実施されてきました。中でも、高等教育協力においては、日本の大学教員が重要な役割を果たしており、日本の技術協力により設立や拡充が図られた途上国の大学は、世界で約180校にのぼります。しかしながら、こうした大学や大学教員のODAプロジェクトへの参加の実態は、これまで必ずしも十分に明らかにされてきませんでした。

現在、高等教育はかつてない国際的な競争と協働の時代を迎え、より積極的に途上国支援に関与しようとする大学が増えています。ODA事業を通じて国境を越えて優秀な人材を確保することが、いまや大学の中心的な課題の一つとなっているのです。ODAの初期段階、その参加方法は教員の個人的なものであるといわれてきましたが、国際化の進展や法人化の実施により、一部の大学がより組織的にODAに参加するという状況も生まれています。

本書は、日本の大学のODA参加のあり方や変化に関する研究書です。具体的には、東京工業大学、豊橋技術科学大学、東海大学において、1990年代から現在までのJICAの工学系高等教育協力プロジェクトに、教員がどのようにして参加し、教員個人と大学組織が何を得たのかを文献調査と半構造化インタビューで得たデータから分析。今後の国際協力や連携のあり方について提言しています。

●本書構成
第1章 大学のODA参加の政策と現状
第2章 大学のODA参加についての研究課題と調査手法
第3章 ODA参加のイニシアティブ──日本の大学教員はどのようにしてODAプロジェクトに参加してきたか
第4章 ODA参加のインパクト──日本の大学と教員はODAプロジェクトへの参加から何を得たのか
第5章 大学のODA参加モデルと今後の政策への示唆

資料1 事例対象大学に関する主な収集文献リスト
資料2 インタビュー対象者リスト
資料3 インタビュー対象者への依頼状
資料4 事例対象大学の国際化と国際的な活動に関する年表

著者
萱島 信子
発行年月
2019年2月
出版社
玉川大学出版部
言語
日本語
ページ
352ページ
開発課題
  • #教育
研究領域
開発協力戦略
ISBN
978-4-472-40560-0