No.1 Spillover Effects of School-Based Disaster Education from Children to Parents: Evidence from Indonesia

  • #ディスカッション・ペーパー

学校での防災教育は、児童の防災・減災への態度、知識、行動を促進するうえで費用対効果の高いアプローチである。一方、成人に対する効果的な介入方法はまだ十分明らかになっていない。そこで本研究は、児童向けの防災教育プログラムが、児童の親に与える波及効果を検証することを目的とする。分析には、インドネシアのニアス島における防災教育プログラム「防災マエナ」に参加した214名を含む539名の小学生、およびその親から収集した独自のデータを利用する。操作変数を用いた推定の結果、このプログラムへの参加によって、児童が自然災害に関して親と話し知識を共有すること、またこれにより、親の防災に関する態度、知識、行動も促されることが明らかになった。この効果は、特に災害リスクの高い地域に住む世帯でより大きかった。したがって、防災教育は参加者だけでなくその親に対しても有効であり、その社会的インパクトが大きいことが示唆された。本研究は、途上国において防災教育の親への波及効果を厳密な手法で検証した初めての研究である。また、価値観の世代間スピルオーバーに関する一連の研究に対しても、操作変数モデルを用いた精緻かつ直接的なエビデンスを示した点で学術的貢献がある。

キーワード:防災教育、防災・減災、世代間波及効果、世代間学習、地震、津波、インドネシア

著者
原田 徹也、 庄司 匡宏、 高藤 洋子
発行年月
2022年9月
言語
英語
ページ
34ページ
関連地域
  • #アジア
開発課題
  • #防災
研究領域
経済成長と貧困削減