No.3 What Makes Green Persuasion Effective? Evidence from a Community-Financed Sanitation Program in Indonesia

  • #ディスカッション・ペーパー

対面でのコミュニケーションが、いつ、どのような状況で環境問題に関する意思決定に影響を与えるかを理解することが政策立案者にとって重要である。我々はインドネシアのコミュニティが資金面を担う廃棄物収集プログラムに関し、その参加世帯を増やすことを目的とした勧誘プロジェクトにおけるデータセットを研究した。2種類の勧誘メッセージが作成され、748世帯に無作為に割り当てられた。さらに、勧誘員も、比較対照群または2つの処置群のいずれかに無作為に割り当てられ、さらに、勧誘員の3群への割り当てをプロジェクトの途中でシャッフルされた。この直交する2つの無作為化により、勧誘メッセージの種類、勧誘員、勧誘対象世帯の組み合わせがプログラム参加に与える影響を評価することができた。分析の結果、「子どもを助けよう」というメッセージは、幼い子どものいる世帯の参加確率を高めることがわかった。勧誘員の性格タイプが勧誘直後には参加を促す効果が見られたが、3ヶ月後には有意でなくなった。また、勧誘員が対象世帯を元から個人的に知っている場合、その世帯はより参加する傾向にあった。これらの結果は、少なくとも短期的には、メッセージの内容だけでなく、メッセージの送り手のタイプも、受け手の行動変容に影響を及ぼす重要な要因であることを示唆している。本稿は、環境政策の手段として、コミュニケーションによる説得を用いる場合、ターゲティングの仕方、およびメッセージ内容・送り手・受け手のマッチングが与える潜在的な効果を明らかにしている。

キーワード:集計された再分配効果、インドネシア、メッセージ、説得的コミュニケーション、ランダム化フィールド実験、衛生、廃棄物収集

著者
横尾 英史、 原田 徹也
発行年月
2022年10月
言語
英語
ページ
33ページ
関連地域
  • #アジア
開発課題
  • #環境管理
研究領域
経済成長と貧困削減