Linking Resource Users' Perceptions and Collective Action in Commons Management – An Examination of Water Supply Systems in Southern Senegal

  • #その他論文等

サブサハラアフリカでの「安全な水」へのアクセス改善は、貧困削減に向けた重要な課題です。その実現を阻む一つの要因には、給水施設の不適切な維持管理が挙げられます。本研究は、給水施設の住民管理の可能性と限界に着目し、南部セネガルの村落で実施した質問票調査を基に、動力式の村落給水施設を利用する人の認識と、彼らによる協力的な維持管理行動の関連を検証しました。

利用者による水料金の支払い意欲を協力的な維持管理行動とし、ロジスティック回帰分析を行った結果、給水施設から供給される水を好み、利用の満足度が高い利用者ほど水料金を支払う傾向があると判明しました。また、他の利用者が料金を支払っているという確信を持てない利用者に比べ、他のユーザーを信頼している人は水料金を支払う傾向がありました。

今後、有効な援助事業を行うためには、給水施設の利便性や水質といった利用者の多様なニーズを把握し、それらに見合ったサービスを提供することが重要であると同時に、利用者間の信頼関係の強化にも着目し、住民による給水施設管理組織の形成に向けた支援を行っていくことも必要だと考えられます。

本論文はジャーナル「Water Policy」に掲載され、以下のリンクから購入できます。

著者
花谷 厚
発行年月
2012年2月
言語
英語
関連地域
  • #アフリカ
開発課題
  • #水資源