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How Can We Mitigate Power Imbalances in Collaborative Environmental Governance? Examining the Role of the Village Facilitation Team Approach Observed in West Kalimantan, Indonesia

研究者はこれまで、多様なステークホルダーの参加を通じた持続可能な自然資源管理を実現するための有効な手段の一つとして、協働ガバナンスに注目してきました。しかし先行研究では、力の不均衡が、協働ガバナンスの成功を妨げる大きな要因の一つであることが論じられています。政府などの強い権限を持つアクターが協働プロセスを支配し、支配者層の利益を最大化させようとする傾向がある一方、相対的に力の弱い地域コミュニティーは生計向上の機会を奪われることも多いのが実情です。協働ガバナンスのプロセスや成果に影響を及ぼす要因については多くの研究者が分析してきましたが、特に力の不均衡が生じやすい開発途上国での協働プロセスにおいて、同不均衡を是正するための具体的方策について実証的に研究した例は、極めて稀です。

本稿では、インドネシア西カリマンタン州で実施された参加型の泥炭地火災予防プロジェクトの事例研究を通じて、協働ガバナンスにおける力の不均衡に対処するための具体的方策の有効性を検証しました。プロジェクト参加者を対象とした半構造型インタビューと質問票調査の結果、政府関係者と村民から成る合同チームの設立、政府職員・村民共通のファシリテーション研修プログラムの実施、ファシリテーターを担う村民の育成、平等な知識共有の推進、村民による意思決定の促進といった施策を行うことにより、政府・村民間の力の不均衡が緩和されることが示唆されました。

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