JICA緒方研究所

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Reflecting on Climate-Induced Migration as a Human Security Issue: An Internally-Displaced-Person-Centered Approach to Understanding Displacement

異常気象や自然災害による世界的な死亡者数は減ってきているものの、こうした災害がもたらす影響は強まる一方です。例えば、人々の健康や安全、安心感への影響に伴う経済的、社会的な損失もその一つです。社会的弱者と呼ばれるグループの中でも、最も影響を受けるのが国内避難民(Internally Displaced Persons: IDPs)です。

国内避難民は、より安全な場所へ避難するための手段が限られているため、災害などの危機が発生した時に最も影響を受けやすくなります。本ペーパーでは、「環境が要因となった強制移住では、人々の不安定な状況はさらに悪化する。国内避難民はすでに避難民としての困難な状況に加え、さらなる強制移住により苦境に立たされる」と述べています。そして、環境要因による強制移住を人間の安全保障の問題として捉え、その中核として国内避難民に焦点を当てる必要があると主張しています。

さらに本ペーパーでは、環境移民、国内避難民、人間の安全保障の概念を結び付けるとともに、国内避難民の包括的かつ持続的な回復に向け、彼らを保護する戦略と彼ら自身のエンパワメントの取り組みをいかに効果的に実現していくかを議論しています。ケーススタディーとして、2015年、2016年、2020年に行った現地調査と現地訪問から得られた結果を基に、台風30号(ハイエン)で被災したフィリピンの国内避難民に焦点を当てています。

本ペーパーは、2021年6月に発行されたJournal of Human Security Studies  Vol.10, No.1 に掲載されました。

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