Japan’s Development Cooperation: From Making Amends to Agenda-Setting

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本研究は、過去75年間の日本による政府開発援助(Official Development Assistance: ODA)の進化を取り上げ、特に1980年代以降に焦点を当てて、日本の開発協力の基盤となった人間の安全保障と質の高い成長について論じています。また、地域的なビジョンやインフラ開発といった優先分野の変化と継続性、そして日本のODAの実施機関である国際協力機構(JICA)の役割についても分析します。

本論文は、日本の開発協力を度々方向づけてきた3つの要素は、(1)西欧諸国とは異なる独自の近代化を遂げた日本ならではの経験による開発主義、(2)新重商主義、(3)戦略的で地政学的な考察だと主張します。時代によってそれぞれ重点は異なるものの、互いに継続的に影響を与えてきたとしています。

著者は、「日本のODAの進化は、国際コミュニティーにおける援助規範の社会化の強まりを反映している」と述べています。つまり、日本がODAを通じた国際社会への貢献を高めていく中で、援助潮流だけでなく援助規範自体をつくり上げる場面も見られるようになったと指摘しています。

本論文は、Universidad Loyolaの科学論文集「Revista de Fomento Social」のODA特集号に寄稿されたものです。

著者
ニコライ・ムラシキン
発行年月
2021年10月
言語
英語
ページ
23ページ
開発課題
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