Protection and Empowerment of Displaced People in Disasters: A Human Security Perspective on Climate-Induced Displacement and the Role of NGOs

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JICA緒方貞子平和開発研究所(JICA緒方研究所)のリセット・ロビレス研究員は、書籍『Forced Displacement and NGOs in Asia and the Pacific』(2022年1月刊行)の中で、『Protection and Empowerment of Displaced People in Disasters: A Human Security Perspective on Climate- Induced Displacement and the Role of NGOs』と題したチャプターを寄稿しました。

このチャプターでは、気候変動や災害の影響を受けた国内避難民(IDPs)と、その支援に携わる諸機関の役割に焦点を合わせています。本チャプターは、上からの保護と下からのエンパワメントを組み合わせた人間の安全保障のアプローチを適用し、人々の国内移動に基づき、自然環境の変化による脅威への適応や緩和といった対応の実態を示しました。さらに、2013年にフィリピンを襲った台風30号(アジア名:ハイエン)における事例を考察し、環境移民と人間の安全保障、国内避難の概念を結び付けています。この研究では、人間の安全保障を構成する保護とエンパワメントの付加価値のみならず、重大かつ普遍的な脅威に対して人々の保護を確保することや、人々をエンパワーし、慢性的、将来的な自然災害などの困難に直面した際のレジリエンスを高めることに対し、非政府パートナーが独自の立場で貢献していることも確認しました。

また、JICA緒方研究所の研究プロジェクト「東アジアにおける人間の安全保障とエンパワメントの実践」の成果も取り上げています。

この書籍は、ニュージーランドのオークランド大学アジア太平洋難民研究センターのGul Inanc氏と、混在移動センター(Mixed Migration Centre: MMC)のセンバ・ルイス氏が編集しました。学術書出版社Routledgeの書籍シリーズ「Routledge Advances in Asia-Pacific Studies」の一部で、以下のリンクから購入することができます。

著者
リセット・ロビレス
発行年月
2022年1月
出版社
Routledge
言語
英語
関連地域
  • #アジア
研究領域
平和構築と人道支援
研究プロジェクト