Designing Youth Employment Policies in Egypt

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『Designing Youth Employment Policies in Egypt』

JICAは、2012年2月から米国ブルッキングス研究所と3年にわたる共同研究 「中東・北アフリカにおけるアラブの春後の包摂的成長」を実施しています。1年次の共同研究では、JICA研究所からはイエメンと教育に関する研究で参画し、昨年1月ワシントンでのセミナーでは、その成果を踏まえた論文発表を行いました。そして今回、2年次の共同研究成果として、村田旭研究員がまとめた論文『Designing Youth Employment Policies in Egypt』がブルッキングス研究所のワーキングペーパーとして刊行されました。

本研究は、最近の中東・北アフリカの民主化運動の要因としても注目されている“Youth Bulge”と高等教育を受けた若者の高失業率に注目し、より包摂的な成長(inclusive growth)のために、高学歴の若年層をいかに国内の労働市場に取り込んでいき、将来の国内経済の成長へと繋げていくべきか、という課題について、エジプト政府に対して政策提言することを目的としています。

現地調査は、2013年7月から3ヵ月間に渡り、エジプトの6都市、10大学の工学部に所属する大学生を対象として行われました。若年層の職業選好を導き出すため、仮想的な質問項目による調査法である離散選択実験(Discrete Choice Experiment)という手法を用いた聞き取り調査を採用しています。また、国民の多数をイスラム教徒が占め、同じ人口問題を抱えるインドネシアでも同調査を5都市、8大学を対象に実施し、エジプトの事例と比較しました。

この論文の中で村田研究員は、エジプトでJICA研究所が収集した調査データに基づき、官民間の給与格差がより狭まれば、教育サポート、IT、インフラの改善、医療保険の補助などの政策オプションによって、構造的に歪んだ高学歴の若年層の選好を改善していく余地があることを指摘しています。

連携案件(他機関との共同研究)
著者
村田 旭
発行年月
2014年1月
関連地域
  • #アフリカ
開発課題
  • #経済政策