JICA緒方研究所

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ワーキングペーパー

No.18 Challenge for the OVOP Movement in Sub-Saharan Africa —Insights from Malawi, Japan and Thailand—

本研究では、我が国で始まった一村一品運動を最初に本格的に導入したタイとマラウイのケースを取り上げ、我が国のそれとの相違点と類似点を明らかにした。我が国の一村一品運動は、住民自身の発意によって地域の人的資源、原材料、文化的な資源を有効利用し、地域の特産品の付加価値を高め国内外に販売し、もってコミュニティの活性化を図る、住民の手による社会運動である。しかし、タイとマラウイの一村一品運動は、中央政府の強いイニシアティブで始まり、社会開発的な側面よりも、経済成長、雇用機会の創出に焦点が当てられている。本研究では、これら3 カ国の一村一品運動の有効性を、特に今後のサブサハラアフリカへの展開を視野に入れて評価し比較した。その結果マラウイでは、生産性の向上、バリューチェーン内での上昇、ラベリングによる市場へのアクセスの向上により、多くの農村が一定の恩恵を受けていることが判明した。アフリカでの一村一品運動をより有効なものにするためには、第一に都市と農村部の空間的なコネクティビティを改善し、グローバル・バリューチェーンへのアクセスを良くすることが必要である。タイの事例に見られるような独自のロゴによるブランド戦略やICT を活用したE-コマースの活用も検討されるべきである。第二に、アフリカへの協力には、さらなるファイナンス、マネージメント面の協力が必要である。そして最後に、アフリカでの一村一品運動の社会的側面、例えば、女性の社会参加、コミュニティのリーダー育成なども含め、従来の経済プロジェクト評価とは異なる評価方法を確立する必要があろう。

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