JICA緒方研究所

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ワーキングペーパー

No.21 Diversity and Transformation of Aid Patterns in Asia's "Emerging Donors"

本稿は、中国・韓国・タイ・インドという新興ドナーの援助パターンの概要とその形成・変容をそれぞれの国内事情に踏み込んで分析するものである。
新興ドナーの援助パターンは多様かつ動態的である。中国・インドは政治色・イデオロギー色の強い援助を実践してきたが、近年は商業主義的援助にシフトしている。韓国援助は商業主義的伝統を保ってきたが、近年は普遍主義的・人道主義的考慮を重視しつつある。タイは貧しい近隣国との政治・経済関係の安定化のために援助を活用しつつ、近年はアフリカに援助するなどDAC の方針にも留意している。
こうした新興ドナーの援助パターンの形成・変容には様々な要因が介在する。中国・インド援助の形成・変容には、非同盟諸国の盟主という大国意識や経済的相互依存度の変化が重要な要因であった。韓国の援助パターンは、中進国としてのアイデンティティゆえに国際社会の潮流・圧力に敏感となり、国内的にも進歩主義・人道主義的価値が台頭する中で形成されてきた。中進国のタイも、近隣国との大きな経済格差への対応として援助に関与しながらも、近年は援助の国際潮流も意識しつつある。
新興ドナーの援助パターンとその変容は、近年加速しつつある援助の多元化に影響していくものと考えられる。

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