JICA緒方研究所

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ワーキングペーパー

No.67 Ex-post Risk Management Among Rural Filipino Farm Households

発展途上国の農民が災害・病気などの様々なショックに直面した際の対処行動(coping strategy)は、どの様な要因で決定されるのか。本研究は、JICA 研究所が 2010 年に実施したフィリピン 3 州(ラウニオン州、イロイロ州、コンポステラ・バレー州)での農村家計調査を元に、その決定要因を実証的に分析したものである。調査地域のフィリピン農村家計では、貯蓄の切り崩しや資産の売却による対応が優先的に行われていた。他方で、洪水・台風などの広範に被害をもたらすショックを受けた際には、就労時間を増やすことで対処し、世帯主の病気など個別の家計に発生した被害に対しては、借金や親戚など他の家計からの支援によって対処する場合が多いことが明らかになった。さらに、農家の収入源の多様化、土地の再分配、農業インフラの改善、社会保障ネットワークの強化などが、フィリピン農村家計のリスク耐性を高める効果があると確認された。これらから、政策面では被害を受けた家計への政府による救済プログラムの充実と併せて、農業インフラの改善を含む農地改革の更なる推進の必要性を示唆する結果となった。

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