JICA緒方研究所

出版物

ワーキングペーパー

No.7 Market, Democracy, and Diversity of Individual Preferences and Values

本稿では、個人の選好の多様性にどのような影響を与えるかという観点から、市場と民主主義の制度に焦点をあてる。仮に、ある社会において、金銭的富を運用する能力は低いが、非金銭的な富を所有するコミュニティが存在するとする。本質的に加害者に法的責任を課さない社会システムは、これらのコミュニティの非金銭的な富を破壊することとなり、結果として貧困化及び多様性の損失を発生させる。上記の議論に加えて、民主主義の最重要要素の一つである多数決という手法に関して、視点を更に推し進めた。個人が利己的な場合、選好の多様性が形式的な差異を作り出すにしても、実質的な違いとはならない。しかし、個人の動機が本質的に集合的または準集合的である場合、社会的に最適な成果に帰結するという観点から、多様性の程度が低い場合の方が多数決はうまく機能すると論ずることができる。

ページの先頭へ