JICA研究所

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ワーキングペーパー

No.107 Determinants of School Enrollment of Girls in Rural Yemen: Parental Aspirations and Attitudes toward Girls' Education

途上国における女子教育の阻害要因の一つとして、親の認識の低さが挙げられる。とりわけ、家父長制にもとづく社会規範によって女性の社会活動が制限されている地域では、親の女子教育に対する認識は低く、初等教育の機会に男女間で格差が存在することが指摘されてきた。本研究は、男女間の教育の格差解消が依然課題であるイエメンを対象国として、同国農村地域における家計および学校を対象にした調査をもとに定量的な分析を行った。本調査の特徴は、家計ごとに父親および母親から、児童の望ましい教育水準、女子教育に対する認識、望ましい結婚年齢、女性の労働に対する認識についてデータを収集しているところにある。

記述分析の結果、父親間および母親間でこれらの認識についてばらつきがあることが観察され、男子の望ましい教育水準について女子よりも高く答えている、すなわちson preferenceを持つと考えられる親が父親、母親共にある程度の割合で存在することが確認された。

またサンプルを6歳から9歳、10歳から14歳に分けて行った女子の就学状況に関する回帰分析からは、高学年の女子に関して父親および母親が持つ望ましい教育水準やson preferenceが有意に関係していること、父親の認識に関してはさらに女子教育に対する認識、望ましい結婚年齢、女性の労働に対する認識が高学年の女子の就学と有意な関係にあること、低学年、高学年の女子ともに母親よりも父親の認識の方が女子の就学状況と相関が強いこと、女性教師の存在や教師の教育水準など学校側の要因も女子の就学に有意に影響していることが分かった。

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