JICA緒方研究所

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ワーキングペーパー

No.123 User-Centered Approach to Service Quality and Outcome: Rationales, Accomplishments and Challenges

社会サービスの普及が進む中でその質と効果についての改善が見られないことが指摘されている(Global Monitoring Report 2011)。そのような状況への対応の1つとしてサービス提供での「利用者中心アプローチ(User-Centered Approach (以下、UCA))」が提唱されている。本論文は、UCAの理念と実績を紹介し併せその限界につき検討する、ことを目的とする。この課題に応えるべく、サービスを分類する2組の概念枠組が提示される。そして、それらに即して、UCAの2つのモデルである「共同生産(co-production)」と「自己管理(self-management)」に関する一般命題といくつかの重要な事例につき、主体能力と動機付けの観点からの検討と評価がなされる。そこでは、エンパワーメントについての概念整理を参照しつつ、「共同生産」と「自己管理」が効果を持つためにはそれらに向けての主体能力の適用が必要であること、それは短期には動機付けにより既存の主体能力が活用されることで満たされること、長期には主体能力の強化が求められること、などが論じられる。これらを踏まえ、UCAの意義と限界につき判断と評価を示す。なお、本研究でのUCAの検討と評価はほとんどすべて先進国での事例を対象としており、国際協力事業でのその適用については、途上国での事例についての研究成果を踏まえた検討と評価が求められる。

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