No.131 Estimating China's Foreign Aid II: 2014 Update

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本稿は、中国の対外援助額を、経済協力開発機構(OECD)の開発援助委員会(DAC)が定めた政府開発援助(ODA)の定義と出来るだけ整合するように2014年まで更新し、DAC加盟国のODA額と比較した。推計方法は前回(Kitano and Harada (2014))から変更を加えた。 本推計によれば、中国のネットベースの対外援助額は2012年の約52億ドルから2013年には約54億ドル(前回の推計値約57億ドル、約71億ドルをそれぞれ下方修正)に増加したものの、2014年には約49億ドルに減少した。DAC加盟国のODA額との比較では、中国のランクは2013年以来第9位であった。二国間援助額では2012年以来、日本、フランスに次いで第6位である。多国間援助の規模は相対的に小さい。参考までに、その他の開発資金である優遇バイヤーズクレジットを推計すると、2013年約47億ドル(前回の推計値70億ドルを下方修正)、2014年約61億ドルであった。中国は近い将来、二国間援助額、多国間援助額ともに増加し、DACトップ5レベルになることが見込まれる。

著者
北野 尚宏
発行年月
2016年6月
関連地域
  • #アジア
開発課題
  • #新興国
研究領域
開発協力戦略
研究プロジェクト