JICA緒方研究所

出版物

ワーキングペーパー

No.133 Examination of Poverty in Northern Mozambique:A Comparison of Social and Economic Dimensions

過去10年間において、サブサハラ諸国は高い経済成長を示してきた。しかし、同地域の地域レベルもしくは国レベルの貧困研究に関する既存文献によると、これらの経済成長が、同地域の貧困削減に貢献しているとは言いがたい。モザンビークも、その例外ではない。2000年から2013年にかけての実質GDPの平均成長率は、6.76 %であった。しかし、その一方で、農村部の貧困率は、同時期に減少していない。

ただし、これらの現象は、消費や所得ベースの貧困の経済的計測によるものである。貧困は多次元的であり、これらの経済的計測のみでは貧困者の真の状況を把握できない可能性がある。多くの住民が自給自足農業に携わっている場合は、特にその可能性が高い。その際に注目すべきは、「非経済的計測による貧困、もしくは多次元的貧困が、同時期にどのように変化したか」ということと、「これらの異なる計測による貧困の決定要因は何か」ということである。

本論文では、既存文献で、著しい貧困が見出された2003年以降の北部モザンビークを対象に、非経済的側面や多次元的計測に基づく貧困について検証。多次元的、また経済的計測に基づく3種類の貧困について、各々の主な決定要因を分析した。分析には、JICA研究所が、2010年に実施した北部モザンビークにおける小規模農家家計調査を用いた。

その結果、①農村の多次元貧困は、同時期に減少していること、②また決定要因としては、家族の規模のもたらす正の効果、および読み書きのできる家族構成員がもたらす負の効果は、どの種類の貧困にとっても変わらない重要な要因であること、③貧困の女性化については北部モザンビークでは顕著には見出されないこと、が導かれた。

ページの先頭へ