JICA緒方研究所

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ワーキングペーパー

No.146 The Evolving Life Improvement Approach: From Home Taylorism to JICA Tsukuba, and Beyond

本論文では、20世紀初頭のアメリカ合衆国、続く第二次世界大戦後の日本の経験を経て中南米諸国向けにJICAつくば研修コースで構築されてきた生活改善アプローチを分析し、それを踏まえて近年途上国でも普及してきた情報通信コミュニケーション技術(ICT)を取り入れた新しい生活改善アプローチ・モデルを提案する。

論文ではまず、現在のJICAつくば研修コースにおける生活改善アプローチが自己決定(self-determination)と自己管理(self-management)の二つの柱を持つこと、また、普及員による寄り添い(accompaniment)が重要であることを指摘する。続いて、生活改善アプローチをMokyr (2004)のミクロ経済学モデルに基づいて再定式化し、開発政策との関連性を示す。さらに、 コスタリカ共和国の小さな協同組合の事例を普及員が撮影したデジタル写真を使って分析し、同モデルを現場の実践と関連づける。

そして、これらの分析を踏まえて、生活改善アプローチの理論と実践を繋ぐための仕組みとして、 写真とテキストを共有する新しいデジタル・システム、SIMEVIを提示する。また、このシステムが発展途上国における生活改善アプローチの「エンジン」として十分に機能するためには、制度や技能など強力なアナログ基盤が必要であることを指摘して論文の結論とする。

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