JICA緒方研究所

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ワーキングペーパー

No.147 Can Efficient Provision of Business Development Services Bring Better Results for SMEs?: Evidence from a Networking Project in Thailand

技術向上やデザイン刷新、マーケティング強化等で経営面をサポートする中小企業支援サービスを総称してBusiness Development Service (BDS)と呼ぶが、そのインパクトについての評価は一定しておらず、途上国における中小企業のBDS利用度も非常に低い。その原因として、BDSに関する情報や利用資金の不足、BDSへのアクセスが限定的であること等が挙げられる。しかし、先行研究の多くはBDSの需要側である中小企業だけに焦点を当てており、供給側であるBDSプロバイダーの課題についてのエビデンスが欠如している。

本稿はBDSの供給側の制約に着目し、タイで実施されたJICA技術協力プロジェクトを分析対象とした。本プロジェクトでは、BDSプロバイダーによる中小企業支援の効果の向上を目指し、既存のBDSプロバイダーのネットワーク化を実施した。中小企業とBDSプロバイダーの一次データを用いた分析からは、まずプロジェクト対象県のBDSプロバイダーが企業との接触を増やし、活動内容を改善させたことが分かった。また、中小企業側でもBDSプロバイダーとの関わりが増えたことが確認された。さらに、プロジェクト対象県でBDSを利用した企業は、生産契約や製品の認証をより多く受けており、一部の対象県では利益や国内の販売比率を向上させた。これらの結果は、BDSプロバイダーのネットワーク化がBDSプロバイダーと中小企業双方の業績を向上させたことを示しており、効率的な公共サービスの提供が確かな結果につながりうるという政策的インプリケーションを導出するものである。

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