JICA緒方研究所

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ワーキングペーパー

No.162 The Hearts, Minds, and Sentiments: The Volunteers Program in the Immunization Program in Bangladesh and the Chagas Diseases Control Project of Honduras

本稿の目的は、バングラデシュでのポリオ対策(拡大予防接種計画)と中米ホンジュラスでのシャーガス病媒介虫対策において、青年海外協力隊(JOCV)が活動の過程でいかに途上国の人々の規範、信頼や感情の変化をもたらしたかを考察することにある。彼らの活動は、これらの変化を通じて活動に関わる人々をめぐるソーシャル・キャピタルを変容させ、人々の行動変容と、活動成果の持続性をもたらした。

バングラデシュにおいて隊員は、彼らの規範を予防接種ワーカーたちに示すことにより信頼を醸成し、それによってもたらされた住民にとっての新たな規範である予防接種受容の拡大を通して、2014年の同国のポリオ根絶に貢献した。ホンジュラスにおいては、隊員が働きかけた現地の住民保健ボランティアの感情のポジティブな変化(幸福感、達成感と自信)を通じて、住民と保健行政との間に成立した規範と信頼、そして“応答の交換”をもたらした内発的動機の生成について検討している。同国においては、隊員の介入により変容したこれらのソーシャル・キャピタルが媒介虫対策の持続性確保を支えたと考えられる。

両国の例に共通するのは、隊員が彼らの現地同僚の活動地に常に同行し、同じ言語を話し、活動の成功や失敗を共有した点である。隊員と現地の人々の協同は、人々の心と感情に働きかけ、感染症対策の拡大と持続性確保に貢献した。著者は、これらの分析を通じて援助現場の人々の心と感情に注目することの必要性を提言している。


キーワード : 青年海外協力隊(JOCV)、ソーシャル・キャピタル、センチメント、ポリオ対策/拡大予防接種計画、シャーガス病対策

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