JICA緒方研究所

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ワーキングペーパー

No.178 Does Social Capital Encourage Disaster Evacuation? Evidence from a Cyclone in Bangladesh

自然災害による人的被害を軽減するうえで、迅速な避難行動は不可欠である。しかし既存研究では、人々の避難行動における意思決定メカニズムは十分明らかにされていない。そこで本稿は、バングラデシュのサイクロン被災家計から収集した独自のデータを用いて、避難行動における社会関係資本の役割を分析した。実証分析において社会関係資本の内生性を完全に除去することは容易でないため、本稿ではOster (2017)の手法を用いて推定結果のバイアスへの脆弱性を数値化することで対処した。

この分析から、社会関係資本が高い村人は被災時に避難する確率が有意に高いことが示された。またそのメカニズムを明らかにする一連の分析から、社会関係資本によって避難時の窃盗被害リスクの認識が低下したこと、および災害警報が多くの村人に情報共有されたことを示唆する結果も得られた。これらの知見は、災害時におけるコミュニティと政府の役割を理解するうえでも重要な貢献を果たすことが期待される。


キーワード:社会関係資本、自然災害、避難行動、バングラデシュ、サイクロンアイラ

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