No.190 Willingness to Pay for Mortality Risk Reduction from Air Quality Improvement: Evidence from Urban Bangladesh

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本稿は、大気汚染による死亡という文脈で、バングラデシュ都市部住民の統計的生命価値(value of statistical life)を仮想評価(contingent valuation)法を用いて計測した初の試みを紹介している。仮想評価法による調査は、2013年に同国で最も人口密度の高いダッカ及びチッタゴンで実施された。調査では、死亡率を下げる大気汚染改善施策に対する個人の支払意思を聴取した。支払意思額と、調査対象者の社会・経済的特性、健康状態、リスク認識等との相関は、他国の既存研究の例と整合的であった。ブートストラップ法を用いて統計的生命価値の平均値の信頼区間を求めたところ、17,480ドル~22,463ドル(購買力平価換算)となり、これは2013年の同国一人当たりGDPの9.78倍~12.57倍であった。この結果は、調査に用いた設定を考慮すると、環境リスクに対する同国市民の統計的生命価値評価の下限を示していると考えられる。

キーワード:統計的生命価値、支払意思、仮想評価法、大気汚染、バングラデシュ

著者
ミンハジ・マフムド、 澤田 康幸、 山田 英嗣
発行年月
2019年3月
関連地域
  • #アジア
開発課題
  • #環境管理
研究領域
経済成長と貧困削減
研究プロジェクト