No.191 Estimating Social Infrastructure Demand: The Case of Japan

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本論文では、日本の教育・医療・公営住宅・政府庁舎の社会インフラ需要を推計した。推計は、2016~2030年の新築・維持管理・大規模修繕・更新需要を対象とした。推計にあたっては、予測需要者数とインフラ整備基準の乗(ミクロ法)、社会経済上の変数のパネルデータを用いた回帰分析(マクロ法)の2つの手法を用い、各年の必要インフラストックを試算した。また、大規模修繕・更新需要について、この分野の既往文献にはない新しい試みとして、異なる2つの手法を用いた検討を行った。推計結果によれば、現在の社会インフラサービスの水準を保つためには、上記の15年間を通じて2016年価格で10.3~13.5兆円(946~1,240億米ドル)/年の投資が必要であり、これは現在の投資水準を大きく上回る規模である。また、将来の人口減に伴って必要ストックが減少する局面でも、維持管理・大規模修繕・更新に係る支出は相当の規模となる。上記の手法と結果は、他のアジア諸国における社会インフラ需要の推計を行うにあたり、有益な示唆を提供するものである。

キーワード:病院、住宅、インフラ投資需要、維持管理、学校、社会インフラ

著者
石塚 史暁、 原 毅、 難波 悠、 広田 幸紀
発行年月
2019年3月
関連地域
  • #アジア
研究領域
開発協力戦略
研究プロジェクト