JICA緒方研究所

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ワーキングペーパー

No.210 Help-seeking Pathways and Barriers of GBV Survivors in South Sudanese Refugee Settlements in Uganda

ジェンダーにもとづく暴力(Gender-Based Violence)は、難民キャンプなど、武力紛争によって強制的に避難せざるを得ないコミュニティにおける重要な課題と認識されている。国連安保理決議1325が採択されて以来、GBVの対応は大きな進展を遂げてきた。しかし、積極的に救援を求める人々に対応するだけでは不十分であり、救援を求めることが出来ない人々に対応を拡大し、GBVを予防するためのより効果的な方法を開発する必要がある。

そのため本稿は、難民コミュニティにおいてGBV被害者が救援を求める経路、そして救援を求める際の障壁は何かを特定することを目的とする。第1節では、被害者が他者になんらかの支援を求める行動「救援要請行動(help-seeking behavior)」を理解するために、既存の救援要請モデルの修正を試みる。第2節では、ウガンダの6つの難民居住区で行なった南スーダン難民との12のフォーカス・グループ・ディスカッションから収集されたデータを、救援要請修正モデルを通じて分析する。

その結果、GBV被害の現状、救援要請の動機、救援要請経路、そしてその障壁を特定した。GBV被害者は、主に社会文化的規範に起因するスティグマと提供サービスに対する期待値の低さのために、救援を断念することが理解された。また、救援要請経路においては、人道支援機関やホストコミュニティよりも、難民コミュニティリーダーや教会に救援を求める傾向にあることが理解された。この救援要請修正モデルは、GBV被害者の救援要請経路やその障壁を理解することを通じて、紛争影響を受けた難民状況において、ホストコミュニティや国際社会が提供するGBV対応の改善を考えることに貢献する。


キーワード: 南スーダン、ウガンダ、難民、ジェンダーに基づく暴力(GBV)、救援要請

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