JICA緒方研究所

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ワーキングペーパー

No.221 Investments in Flood Protection: Trends in Flood Damage and Protection in Growing Asian Economies

洪水被害を軽減するには、治水投資が不可欠である。しかし、実際の投資データや、治水投資と被害や便益との関係を扱う研究は限られている。本稿では、アジアにおける洪水被害と治水投資を実証的に分析することで、治水政策を分析することを目的としている。国内総生産(GDP)に占める投資と被害の割合の傾向は、国によって異なる。第二次世界大戦後の中華人民共和国と日本は、経済被害を着実に減少させることができた。一方、フィリピン、台湾、大韓民国、インド、パキスタンは、治水予算と被害額が変動した。上昇傾向、下降傾向のいずれの場合でも、ベイジアン構造時系列モデルにより投資をある程度予測できることを明らかにした。また、治水投資は、地域および国レベルで費用対効果が高いことがわかった。過去 20 年間の年間利益は、中国では 1,590 億米ドル、フィリピンでは 1 億 2,000 万米ドルと推定される。アジアの発展途上国における2016年からの純利益(利益から費用を引いたもの)の累計は、2030年までに1,570億米ドルの投資に対して2,630億米ドルに達すると予測される。

キーワード: ベイズ構造時系列モデル、気候変動、費用便益分析、内部収益率、洪水被害

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