本稿では、モンゴルにおける金融包摂の決定要因を、ジェンダーギャップに着目して調査した。全国を代表するデータに多変量ロジスティックモデルを適用した結果、女性、高学歴、高齢であるほど金融包摂が進んでいることが示された。また、女性は男性よりも4パーセントポイント高い確率でフォーマルな金融にアクセスすることができる一方で、男性はフォーマルな金融に対する障壁を報告し、インフォーマルな金融を利用する傾向がある。Blinder-Oaxaca分解法を用いて金融包摂における「逆」男女格差を分析した結果、この格差は主に男女間の金融包摂に対する行動的または観測されない差異を反映した係数効果によるものであることが明らかになった。
キーワード: 金融包摂、ジェンダー、モンゴル