JICA緒方研究所

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ワーキングペーパー

No.72 Political Origins of the Japan Overseas Cooperation Volunteers, 1960-1965: Why the State Sends Young Volunteers Abroad

本論の目的は、日本政府の海外ボランティア事業である青年海外協力隊( JOCV )の政治的起源を探ることにある。研究課題は、①なぜ 1965 年に JOCV が設立されたのか、②なぜ JOCV は技術援助、国際親善、青年育成という多様な目的を追求することになったのか、という二つである。分析の焦点は国際的、国内的要因に当てられている。国際構造としては、日米関係とアジアの冷戦に着目し、国内構造については、農村の失業、安保闘争、都市の犯罪という青年問題を取り上げた。これらの問題の解決策として、青年団体や自民党は海外ボランティア事業 に着手したが、政策決定過程では、技術専門家の派遣を主張する外務省との対立と妥協があった。その結果、多様な目的を持つ JOCV が設立された。この研究は、国家が海外ボランティア事業を始める動機として、米国平和部隊のような外来のアイデアおよび国内の青少年問題が重要であること、そして JOCV は国家事業と個人活動のハイブリッド事業として国際政治の理解にも含意があることを示唆している。

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