JICA緒方研究所

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ワーキングペーパー

No.90 The Impact of Training on Technology Adoption and Productivity of Rice Farming in Tanzania: Is Farmer-to-Farmer Extension Effective?

少数の農家が受講した農業研修で伝えられた技術は、農家間の情報共有によって、受講者でない農家にどの程度伝播するのか。この問題は農業技術の普及戦略を策定する上で重要な問題であるにも関わらず、これまで十分な分析が行われてこなかった。本研究は、国際協力機構(JICA)がタンザニアの灌漑地区において行った稲作技術研修の技術普及と生産性への影響を、5年間のパネルデータを用いて検証している。研修は受講農家が灌漑地区内の未受講農家に対して技術を教えることを想定して行われた。その結果、研修を受けなかった農家も、社会的紐帯が強く、近隣の圃場を耕作している研修受講農家から新たな技術を習得することで、生産性を向上させていることが明らかになった。研修前後を比較すると、受講者の平均収量は1ヘクタール当たり3.1トンから4.7トンに増加し、未受講者の平均収量も1ヘクタール当たり2.6トンから3.7トンへと増加した。これは農家間の技術普及を前提とした普及戦略がある程度機能しうることを示唆する結果である。

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