細野所長、共同研究「スケールアップ」の協議のためブルッキングス研究所を訪問

2012.02.20

2012年1月16日から20日の間、JICA研究所の細野昭雄所長は、ブルッキングス研究所でのワークショップおよびJICAアメリカ合衆国事務所の公開セミナーに参加するためワシントンを訪問しました。

JICA研究所は、ブルッキングス研究所と共に研究プロジェクト「開発効果を目指したスケールアップ(仮訳)」に取り組んでいますが[関連記事]、今回のワークショップでは、ブルッキングス研究所出版から発刊予定の書籍のため、研究メンバーや専門家がスケールアップの主要論点について話し合いました。また、JICAアメリカ合衆国事務所で行われたセミナーでは、細野所長がメディアや援助機関の職員も出席するなか、JICAが長年取り組んでいる南南協力・三角協力について講演しました。

ブルッキングスのワークショップでは、Homi Kharas上席研究員を含む担当者が各章の初稿を発表し、それについてコメンテーターと他の著者が改善すべき点などの見解を共有しました。細野所長は全10章のうち担当している、南南協力・三角協力を通じた技術移転の章のための論文内容を説明し、南南協力・三角協力の効果的なスケールアップのためにドナーが支援国および支援分野を適切に選ぶことが重要だと強調しました。

同じくJICA研究所から参加した本田俊一郎リサーチ・アソシエイトは、スケールアップの過程での能力開発(Capacity Development:CD)に関する章について、CDを伴うスケールアップの好事例としてニジェールの事例を取り上げつつ説明しました。同国は小学校教育において住民参加型学校運営政策を採用しており、JICAの支援を受けて形成された運営モデルは、多様な関係者の能力強化を図りながら全国への展開が実現しています。CDの広い枠組みのなかで、本田RAは教育省本省、地方事務所や学校等各レベルにおける多様な利害関係者間の相互学習を促進するプロセスと仕組み「multi-stakeholders learning」の側面に注目して発表しました。

各著者は今回のワークショップでのコメント受け、さらに推敲を重ね、今年の春には最終稿を完成させる予定です。

一方、JICAアメリカ合衆国事務所のセミナーでは、細野所長が南南協力・三角協力でのJICAのこれまでの取り組みやその経験から得た教訓について述べ、日本ーブラジルーモザンビークの農業開発に関する三角協力プロジェクトを含めた、2つの典型的な事例を紹介しました。

なお、今回のセミナーは、JICAアメリカ合衆国事務所がJICA事業の広報を目的に新たに開始した公開セミナーシリーズの第1回目となりました。

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細野昭雄所長および本田俊一郎リサーチ・アソシエイト (右から3番目および2番目)

開催情報

開催日時:2012年1月16日(月)~2012年1月20日(金)
開催場所:ブルッキングス研究所およびアメリカ合衆国事務所(アメリカ・ワシントンDC)

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