SABER研究プロジェクト、西アフリカで教育の実態を現地調査

2012.01.17

結城貴子研究員は2011年12月4日から、研究プロジェクト「System Assessment and Benchmarking for Results (SABER), Learning Achievements and Equity(学習成果と衡平性に資する教育システム分析ツールの開発研究)」の一環として、SABERプログラムのパイロット国であるブルキナファソとセネガルを訪問しました。現在、結城研究員のチームは、世界銀行との共同プロジェクトであるこの研究の準備を世銀担当者とともに進めており、約2週間の間、必要なデータを収集し、またJICAや世銀の現地スタッフ、コンサルタントのほか、ブルキナファソの国民教育・識字省(MENA)やセネガルの教育省(ME)のトップ、主要な政府機関、UNICEFやその他国際機関の担当官など、両国の教育改善に従事している様々な人々と意見交換をおこないました。

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セネガルの小学校関係者と意見交換する結城研究員と世銀スタッフ。同校は、JICA技術協力プロジェクトが支援している。

今回の現地調査の主な目的は、SABERの「学校の自治とアカウンタビリティ(説明責任)(SAA)」政策領域の指標について、教育省関係者への個別インタビューや政策文書等に基づいた暫定的回答に関し、主要関連部署にその妥当性や根拠を確認すること、及び追加指標等の必要性について意見交換を行うことです。そのため、JICA研究所と世界銀行は現地でワークショップを開き、ブルキナファソではMENAの事務局長を含む30人以上が参加、セネガルでもMEの事務局長ほか同程度出席しました。

結城研究員によると、世界銀行はこれまでに約40か国でSABERの試験的なテストを実施していますが、質問票の最新版を使用したことや初めてアフリカのフランス語圏で執り行うことになったという点が、今回の調査の特筆すべきところということです。また、両国共に新たな教育戦略を策定する時期に入っており、政府担当官らはSABER-SAAのパイロット調査の結果を見ることにより他国・他地域との政策比較や世界から得られる教訓へ非常に大きな関心を寄せていたということでした。

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ブルキナファソで行われたワークショップの様子

加えて、共同研究チームは、全国統一テストの結果や小学校卒業試験合格率のデータのような教育に関する膨大な基礎データを入手することができました。

結城研究員は「両国のJICAや世銀の現地事務所、また教育プロジェクト関係者の協力により、教育省の積極的な参加、各種データ収集への協力・助言が得られた。またConfemen (Conférence des ministres de l'éducation nationale)やUNESCO 、UNICEFのような他の国際機関と充実した話し合いを持つことができた。得られたすべての情報を基に、2月に(ブルキナファソで)予定されている追加調査の準備を進めたい。」と述べています。

※SABERの詳細については、下の関連リンクをご覧ください

開催情報

開催日時:2011年12月4日(日)~2011年12月16日(金)
開催場所:ブルキナファソ、セネガル

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