関西から飛び立ち、途上国で頑張る!派遣中の協力隊を紹介します-Part13-【兵庫県】

スタッフより一言:
兵庫県出身の由地一樹さんは、2020年1月にセルビアに派遣されましたが、新型コロナ感染症拡大のため2020年3月に一時帰国しました。由地さんは、延べ9カ月に及ぶ日本国内での待機期間を経て、2020年12月にセルビアに再赴任し、2022年1月まで活動予定です。セルビアでは空手を含め日本の武道や文化への関心が高く、由地さんの配属先は東京オリンピックで金メダルを獲得した選手を輩出する名門クラブ。「由地隊員からは空手の技術はもとより、日本人の考え方を学びたい」と期待されています。

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配属先の選手と由地一樹さん:写真右

氏名:由地 一樹
出身地:兵庫県
隊次:2019年2次隊
派遣国:セルビア
職種:空手道
JICA海外協力隊参加のきっかけ:
「スポーツを通じて国際協力」を行いたいという想いから応募。

セルビアとは?

皆さんは、セルビアが「どこにあるか」ご存じですか?ヨーロッパ東部のバルカン半島と呼ばれる地域にある国で、かつてはユーゴスラビア(注1)の中心国でした。1990年代後半のコソボ紛争の影響で国内は混乱し、経済的にも大変厳しい状況に置かれました。その復興のため、日本はセルビア(注2)に支援を行いました。市民の足に欠かせない公共バスや病院で利用する医療器材の寄贈、難民支援など、数多くの支援を行いセルビアの人々から大変感謝されました。その中で、公共のバスは「ヤパナッツ」(日本人からの贈り物)として20年近く経った今も大切に整備され、セルビアと日本の友好の印として乗り続けられています。そうした背景もあり、2011年に起こった東日本大震災では、セルビアの人々は各地で多くの募金が集められ、励ましのメッセージと共に送っていただきました。

セルビアの人々は、日本の文化や伝統にも興味を持つ方が多いです。例えば、日本のアニメや漫画を見て日本語を覚えたりしています。日本語学科がある高校や大学もあります。さらに、柔道、剣道、空手道を教えるクラブがセルビア各地にあり、子どもから大人まで多くの人が学んでいます。空手クラブの方々も日本に興味がある人が多く、日本人から空手道を学びたいと考えているようでした。空手クラブに配属された時、生徒たちが「日本人の先生に教えてもらえる」と大変喜んでいた姿が印象に残っています。この様に、日本の事が大好きな方々がセルビアには多くいます。皆さんもセルビアにぜひ注目して下さい。

(注1)現在のスロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ、北マケドニア、セルビア、コソボ
(注2)2006年セルビア・モンテネグロからモンテネグロが独立

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紛争で壊れた建物が今もそのまま保存されています。

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日本が供与したバス